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弘美と純一の場合 vol.64. 誕生日プレゼント
けれどもどこかで…「あの人…どこか哲也さんに…。」
と言う印象を、裕子自身も受けたのは確かだった。
リビングでは誕生日プレゼントの玩具で、
杏子と友達の静香ちゃんが遊んでいる。
その脇で徹と静香ちゃんの両親が楽しく会話している。
やがて会もお開きとなり、友達が帰った途端に、
杏子は玩具を抱えながら父親の徹に、
寄り添うように眠るのであった。
裕子と弘美は台所で後片付けをしながら、
杏子の事をあれこれと冗談も含めて談笑し、
杏子の寝顔を見た後に、裕子の家を後にするのであった。
次に裕子と会う日を約束した上で…。
今年から小学校に入る杏子に、
新しいランドセルを買ってあげた弘美。
裕子の両親が可愛い孫にランドセルでも…。
と、言ってくれたのだが、弘美の方から願っての、
ランドセルを贈る事になったのである。
それは、実に…自分のためでもあったのだ。




