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弘美と純一の場合 vol.56. 憎めない…。
失恋の度に弘美から慰められながら…、
と言うより、その性格上、恋に破れた佐也加は、
その度にガックリとした表情をして、
常に弘美に「せんぱ~い。」と言いながら、
泣き付き、その度に弘美からも「あんた…また…。」
と言いながらも、その都度、佐也加のヤケ酒に付き合わされ、
愚痴を聞いてやるのだった。
ただ、恋に破れても、何故かしら誰かに慰めてもらうだけで、
酒を飲んで憂さを晴らせば嫌な事はキッパリと忘れられると言う、
ある意味ではどこか器用な性格だから、
憎めないのである。
しかも、そんな佐也加の男を見る目は、
弘美自身も感服するほどの目利きなのである。
だからこそ、それだけ男性との恋愛、
失恋を繰り返してきた佐也加であるから故に、
女性として男性と付き合ってからの…、
また男性を思っている女性としての、
小さなほどの気分的なものも、些細な事でさえも、
直感は冴えるのだった。




