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弘美と純一の場合 vol.51. その場の…空気…。
大人の女性、しかも、自分よりは遥かに年上…、
いや…姉よりも年上で…。
そして、またしてもかつての音楽教師を思い出しながら…。
しかし…、そうは思いながらも、今、
自分の目の前にいる女性の…、
例え、どのくらい年上かは純一本人、
知る由もなかったが、まぎれもなく今まで実際に逢ってきた女性とは全く、
異なる雰囲気を感じているのは確かだった。
事実、弘美自身が、自分では気付かないまでも、
相手にそういう雰囲気を与える女性だったのである。
とにかく純一としては、そんな目の前にいる女性に、
嫌われないようにと言う、そんな謙虚な面持ちで、
対処するのがやっとであった。
そんな純一の姿勢を感じてか、
弘美の方は…と言えば、時折どことなく、
夫の哲也を目の前の純一の姿が、
必然的に重なり合うのだった。
そして、そんな2人の間を取り持つように、
礼子が微妙にもやんわりと言葉を、
ポイント、ポイントに投げ掛けるのであった。




