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弘美と純一の場合 vol.47. 脇役に徹した祖父
そんな姉朋子も純一が大学在学中に結婚しており、
既に子供も3人儲けている。
そして現在純一はそんな姉夫婦とは離れてアパートで暮らしている。
祖父はそんな子供たちが立派に育ってくれたと言う現実を見届けるように、
まず姉朋子の結婚を見届け、そしてまた純一の大学卒業、
そして社会人としての成長を見届けてその生涯を閉じた。
自分のやれる事はふたりの子供の将来を思い、
ただ、ただ、脇役に徹して見守る事をモットーとし、
縁の下の力持ち程度に支えてきた老人だった。
この老人の存在もふたりの姉と弟には、
多大な影響を及ぼしているのも確かである。
寛大であり、包容力があり、
それでいて奔放主義でもあった老人であった。
常に朋子の事を思いやり、怒る事すらなく…、
ある意味では朋子の事を幼くとも家長として…。
そして小さな、そして若いお母さんと言うイメージを、
自分に敢えて植えつけ、育てるのではなく、
育つ環境を創造していた祖父であったのだ。




