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弘美と純一の場合 vol.42. 姉と弟
そんな生い立ちのある藤崎純一、
かろうじて姉弟には祖父がおり、
生活にそれほどの支障はなく、
子供の頃から、祖父が面倒を見てくれた。
しかし…純一にとって、母親と言う面影が全くなく、
物心ついたころから、自分を可愛がってくれたのが、
5歳年上の姉だったのだ。
正に母親同然と言ったものなのであった。
何をするときも姉と一緒の生活だったのである。
姉が食事の支度の時も傍にいて、
買い物も一緒、そしてお風呂や寝る時にも、
姉と一緒でなくてはいられない純一であった。
子供の頃に、そういう生活環境を経験している純一、
それが奏してか、自然に姉のやることを目にしながら、
いつしか料理や買い物、それに掃除や裁縫まで、
自分で出来るようになっていた。
別の側面で言えば、姉の方も純一と共に、
何でも一緒にやると言うのが当たり前の生活でもあったように…。




