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弘美と純一の場合 vol.35. 一瞬の仕草
自分でも恋愛遍歴あり、
様々な男性の性格をも経験していると認める礼子である。
ある意味では自分よりも年上の弘美ではあったが、
異性を目の当たりにしての女性の嗜み、
と言うものは心得ている礼子であった。
それが例えどういう経緯があろうとも、
己に隙を作る事は、周囲に対して、
何らかの自分自身を露呈しているようなものだと、
言う事を周知させる事になる。
その隙を、礼子は見逃さなかったのである。
まぎれもない、純一と浅川弘美との間には、
何かの接点があると、その一瞬で礼子は感じたのである。
しかし、そんな礼子の表情を、まだ弘美には感じられずにいた。
そういう意味では異性に対して、また、
そういう場の雰囲気には加瀬礼子と言う女性は、
様々なシーンで複数の男性と経験を持ちながら、
必然的に体で知り得たものだったのである。




