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弘美と純一の場合 vol.34. 加瀬礼子と言う女性
その後、イギリス人の父親の薦めで外資系の会社に勤務し、
そこでも数人の男性と交際している。
若さの至りからか、また、イギリス人の父親の血統なのか、
礼子もまた、男性が放ってはおかないほどに、
容姿端麗な女性なのであった。
初めての結婚は20代、残念ながら、
初めての結婚では子供には恵まれなかったが、
二度目の結婚でひとりの娘を儲けている。
ただ、この結婚生活も長くは続かず、
夫は海外赴任の際に、赴任先の国で仕事中に事故に遭い、亡くなっている。
その哀しみから逃れるために、外資系の会社を辞め、
国内の商社に勤務し始め、この商社と取引のある企業の社員と恋に落ち結婚、
ふたり目の娘を儲けている。
35歳の年齢にして、様々な職場を体験し、
また、それぞれの職場でも外国生活の体験から人当たりが良く、
誰からも好まれている性格の持ち主で、
そのためか、年齢差などは一切関係なく、
弘美とも良好な関係を保っていた女性だったのである。