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弘美と純一の場合 vol.171. Party
「乾杯―――ッ!」
佐也加の音頭で弘美の誕生パーティが、
都内のデパートの中のお店で開催された。
こじんまりとはしていたが、ムード満点のお店で、
弘美の誕生日と純一との婚約祝いも兼ねてのパーティである。
もう今後はこの指にこういうリングは似合わないかも…。
そんな風に思われた弘美の左手薬指には、
純一と同様の婚約指輪…。
アルコールを飲みながら、純一と徹が楽しく仕事の話をしている。
そして女性陣は女性陣で、何度聞いても楽しい、
弘美と純一との決定的馴れ初めで盛り上がっていた。
杏子は佐也加にしっかりと抱っこされながら、
ケーキを食べたりジュースを飲んだりと、
この日だけは特別と言う感じで、自由奔放で楽しんでいた。
とにかく純一は弘美が常に笑顔を絶やさずに、
優しい女性である事に幸せを感じていた。
「…しかし…あの藤崎君がね…浅川さんをそんなようにね~!ふ~ん!まぁ…今や奥様になる人ですからね…。ねぇ~旦那様~!」
と、礼子の言葉に…、
思いっ切り目をシロクロとさせて、
「ハッ…???」
何がどうした…???
そんな純一を見て女性陣は爆笑するのであった。