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弘美と純一の場合 vol.164. あんたには悪いと…。
「弘美、あんたに折り入って話したいこと…あるの…。いい???」
「どうしたの…お姉ぇ…???」
一緒にいる杏子にパリからのお土産をあげて裕子に…、
「何々…。」と言うように興味津々に顔を向けながら…。
「あんた…いつぞやの彼の事…どうなのよ…???」
「はっ…???」
「ほら…哲也さんに似ている彼の事よ、なんだったらね、良い感じになるように…、何て言うか…愛のキューピット役…、って言ったらいいかな…。そういう人…教えてあげる。あんたには悪いと思ったんだけど、私…あんたの事放っておけなくって、その彼女にあんたの事話したのよ、あんたの名前はまだ言ってないけど…。」
「えっ…えぇ~???お姉ぇ…それって…???」
「だって、あんた、こんな良いチャンス逃しちゃったら…って、思うと…私…。あんたには悪いと思ったんけど…。うんうん分かる、お節介だとは思ったんだけど…。ねぇ…どぅお???」
思わず困惑したような面持ちで弘美…。
「お姉ぇ…実…は…ね…。」