145/156
弘美と純一の場合 vol.160. あっと言う間…。
「びっくりした~!まさか…こういうパターンになるとは…。」
目をシロクロさせながら弘美。けれども、嬉しそうに…、
「ありがとう礼子さん。」
そして、一旦弘美にお詫びの合図をしながら純一にも、
「おめでとう。」と抱きつく麗子。
多少、はしゃいだ感じの礼子ではあったが、一瞬、瞼を潤ませた礼子でもあった。
それほどまでに弘美と純一の事は礼子自身、こころの底から嬉しかったのだ。
美人の女性3人に囲まれて純一は…、
「…何だか…映画の中にでもいるみたい。」
「そうだろ、そうだろ藤崎君、今日は主役の婚約者的存在なんだからね~!」
「…って、それ…加瀬さん、俺…もう既に…婚約者なんですけど…。」
「あっ、そうか…すまんすまん。」
「…あっ、でね…、裕子さん、もう少し遅れるって…、さっき電話あった。」
と、礼子。
「あ~うんうん、私にも電話あった。」
と、同じように礼子に応える弘美。
そして、少し…の沈黙…。
「あっと言う間の3ヶ月…ね~!」と、礼子。