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弘美と純一の場合 vol.155. 空路:成田。
これが今回最後のパリの街…。
そんな風に感じながら最後の「カー・ルージュ」でパリを愉しみ、
各々フリーにて昼食を摂り…、
その時に、ようやく礼子が以前から知っている、
パリの街の古くからのお店に入って、
パリの伝統料理を堪能したのだった。
午後1時半過ぎにホテルから空港に向けてパスが出る。
思い出深いパリの街をパスの中から眺めながらまた再び、
空の玄関となる空港へとバスは向かう。
夕方5時30分、社員たちを乗せた飛行機は空路、日本、成田へと…。
機内食も済み、
「とうとう終わっちゃったね~!」
と、加瀬礼子。
その隣で感慨深げに弘美も、
「そうね…。でも、素敵な旅行だった。」
「そうね…、ありがとう浅川さん。」
「いいえ、コチラこそ、楽しかったわ。」
そんな風に少し会話をした後、
「じゃ、私、席に戻るね。」
と、礼子。
「うん、ありがと…。」
そう言いながら少し目を閉じ…、
気が付くと1時間は寝ていたようだった。
気流があるようで、機内は少し揺れていた。