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弘美と純一の場合 vol.139. 陽と陰。
いつも見慣れているはずの礼子の場合、
それでも礼子としても普段はスーツ姿。
ただ、今回の旅行に限っては、私服ではあっても、
それなりの旅行ファッション。
けれども世界各国から集まるナイトショーでもある。
それなりにエレガントに熟している。
一方、弘美と言えば、礼子とは殆ど互角的な容姿をしている。
こういう海外旅行には長けているとは見えながらも…。
けれども何処かしら周囲から注目される…とは感じさせながらも、
ある意味では礼子とは陽と陰。
さながらに…日本の情緒を感じさせる。
決して前には出ない、スポットライトを浴びない…。
そんな陰の雰囲気を醸しながらも…。
それでも、女性のシルエットと言うものが、
周囲からの視線が絡み合うと言う状況を自然に作りながらも、
ディナーショーは進み、そして、いよいよ本格的な、
「ムーラン・ルージュ」の舞台が開幕されるのだった。
純一はショーに見惚れていた。
そして、見惚れていながらも、時折、
その視線は舞台とは反対方向の客席に…。