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弘美と純一の場合 vol.131. ママ友の話。
「普通だったら…、そんな…ねぇ、他所様には触れられたくないでしょ、夫とのすったもんだって…。まあ…その逆もある訳だけど…ね。」
裕子も幾分、身を乗り出してそのママ友の話を聞く。
「彼女…、礼子って言うんだけど。以前にイギリスに留学していた事もあるのね。…で、そこでイギリス人の男性と恋に落ちた。…でも、その後が彼女の…ある意味では不運続き、彼がアメリカ人女性と出来ちゃった。その後は、もうキッパリと別れちゃって、今度は礼子が色んな男性と関係を持っちゃったの…。そういう恋愛遍歴がある意味では、自分みたいな失恋がトラウマになっちゃったみたいなんだよね。周りに自分みたいな経験のある人を見ると黙ってられなくなっちゃう。場合によっては、体を張る事も惜しまないってところ…あるのよ。ある意味…行き過ぎじゃない…。って、私も彼女に言った事もあるけど…。でも、理に叶っている部分もあるのよ。そのお蔭で夫婦に出来た亀裂が元に戻るのよね…。」
「ちょっと興味のある女性よね。」
と、裕子…。