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4.リリエル、エルフィに教えを請う

「エルフィ、いるかしら」


 コンコン、とリリエルはエルフィの部屋をノックする。

 夜間外出は禁じられているので、こっそり、小声である。


「リリエル?どうしたの、こんな時間に」


 リリエルは夕食を終えた後もモヤモヤしており、どうにも我慢がならなくなったのだ。


「えーっと……昼、言ってた事なんだけど」

「うん」

「今からその……お願いできないかしら」


 エルフィがもう自慰を終えた後だったら、タイミング的にまずいかな、とは思ったが、身体が疼くこの感覚、朝までもつかどうか分からなかったのである。


「今から?いいの?」


 エルフィが嫌がったらどうしよう、と思ったが、エルフィはむしろ目を輝かせているようだった。


「え、ええ。エルフィが良ければだけど……」

「じゃあ入って。今すぐ」


 食い気味に部屋に誘い込むエルフィ。

 ちょっと怖い。


「お、お邪魔します……」


 エルフィの部屋に入ったのは初めてだ。なんだか、部屋の中も凄く清楚で可憐なオーラが……いや、そこまで幻想を見るつもりはない。

 既に本性を知ってしまった以上、部屋の中に漂っているのは、ただ微かなホコリと、僅かに淫猥な空気を感じさせる雌の香りだった。


「あぁ~~~……なんか、久しぶり、この感じ」


 身体全体に染み渡る、背徳の感覚。


「あ、ま、間違っても前世の性欲とか、能力とか、解放しないでね……私、死んじゃうと思うし……」

「大丈夫だって。そんな力、残ってたら今頃ここにいないし」


 リリエルは怯えるエルフィを安心させるように、けらけらと笑う。

 そして、本題を切り出す。


「で、あのさ。昼、エルフィが言ってたから、やってみたのよ。自分で自分を慰めるっての」

「う、うん。どうだった?」


 リリエルは肩を落とす。


「それがさぁ……前世であれだけ男を食い散らかしておいて、情けない事に、ぜんっぜん要領分かんなくて……」

「そ、そうなんだ。サキュバスって、自分でわざわざ慰めたりしないんだね」

「低級淫魔なら餌にありつけずにそういう行為で自身の存在を慰めて保つって噂は聞いたことあったけど、実践しようなんて思わなかったしね……」

「なるほど……」


 元が危険度Aのサキュバスであるリリエルにとって、自慰行為などは雑魚がやることであり、縁もゆかりもない行為だと思って歯牙にもかけていなかったのだ。


「じゃ、じゃあ、僭越ながら、私がやり方を教えてあげるね」


 エルフィは嬉しそうに、リリエルを見つめる。

 この子……何か、思い出すわね……

 或いは、それは前世の自分自身だったのだろうか。


「多分、リリエルは本能的に気持ちいい所を男の人のおち……だ、男根で擦るのは出来ていたと思うのね」

「言い直しても無かったことにはならないからね」


 卑猥な言葉を平然と口にしそうになったエルフィを前に、リリエルは苦笑し、エルフィは赤面した。

 こほん、と咳払いをして気を取り直したエルフィは続ける。


「そ、それで。その時の感覚を思い出しながら、自分の気持ちいい所を上手く探っていくのが良いと思うの」

「いやー、それはやってみたんだけどね。分かんないのよ。多分、肉体そのものが『男に合わせて最適化』されていたあの頃と違って、今の私、生身じゃない?千差万別の男根相手に全員気持ち良く出来ちゃう万能な身体じゃないのよ」


 エルフィの助言は、想像の域を超えなかった。

 そのくらいの事は試してみたのだが、自分が気持ち良くなれる部分というのが固定化されており、ましてや手探りとなると、一朝一夕では分からないようなのだった。


「そ、そういう事……じゃあ、やっぱり、相手が必要……かな」

「と思って、エルフィの所へ来たわけ。悪いわね」

「う、ううん。良いよ……私も、興味、あったし。そもそも、誘ったのも、私だし」


 エルフィはどぎまぎしながらも、これから2人でする行為について、昂りを隠せないようであった。


「じゃ、じゃあ、脱ごっか。わ、私が脱がせたほうが良い?」

「いや……そうね。じゃあ、お互い脱がせっこしましょうか」


 リリエルは何となく思いついて、エルフィの提案に乗ってみる。

 しゅるしゅるっ、と修道服を脱がせていくリリエル。下着もサラッと外した。

 手慣れたものだ。サキュバスの相手は男で、女の場合はインキュバスが相手をするのが普通だが、相手が女の場合も、なかった訳じゃない。


「わ、やっぱリリエル、手つきが慣れてる……やらしい」


 そう言うエルフィの表情こそ、なんだか娼婦めいた色気を感じさせるように思うのは、リリエルの勘違いではないだろう。

 生まれたままの姿になったエルフィを前に、リリエルは言う。


「じゃあ、次は私を脱がせて」

「う、うん」


 拙い手つきでエルフィはリリエルの修道服を脱がせていく。


「あ、あれ。引っかかっちゃった?バンザイしてくださーい」

「子供の世話するお母さんみたいね」


 くすり、とリリエルは笑う。


「も、もう。私こういうの慣れてないんだからしょうがないでしょ」


 言いながらもエルフィは修道服を脱がせ、下着を外した。

 お互いが全裸となり、ベッドの上で向き合う。


「じゃ、じゃあ、ふつつかものですが……」

「かしこまらないでよ。ま、よろしく」


 エルフィとリリエルの睦み合いは、この後じっくり3時間は続くのであった。

サキュバス・イントゥ・ザ・シスター、4話です。

百合セックス回。といっても、直接的描写は避けて寸前です。


評価・感想ありがとうございます、モチベーションになります!


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