3.リリエル、初めての自慰
「自慰……ねえ……」
エルフィが去った後、自室でリリエルは考え込んでいた。
やったことがないのでやり方が分からない。
リリエルは、あれだけ淫蕩生活に身を委ねていた前世を思い出すが、本当に、一度たりとも、したことがないのだ。
「どうやれば良いのかしら。まぁ、男のモノを咥え込む時と同じ感じで、指とか道具とか入れるんでしょうけど」
でも、今の自分の体は曲がりなりにも人間だ。サキュバスだった頃みたいな無茶をしたら、どうなるか分からない。
「……ちょっと手探りしてみるか……」
リリエルは指を軽く、局部に押し当ててみる。
ふに。
「んー……」
軽く触ったくらいじゃあ、どうってことはないか。
じゃあ、指を入れたらどうだろう。
「えーと……男に跨る時の要領で指をこう……いやいや、腕痛いし」
腕を下に置いて、指をピンと立ててその上に跨がろうとしたが、腕の長さが足りない。攣りそうになっちゃう。
なんか違うな。
リリエルは試行錯誤しながら、考える。
「あ、普通に前から入れれば良いんだ」
どうしても生来、男と交わることを前提にしていたリリエルは、自分の指を使って自分の中を掻き回す、という行為のイメージが全くつかないようであった。
「こうかな。えい」
つぷ、と局部に指が入る。
と、その瞬間、リリエルの全身にぞわっとした感触が走った。
「うぁ……何これ」
自分の敏感な部分に何かが触れる感覚。
魂はどこかで記憶しているはずなのに、肉体は初めてのその行為を、新鮮に感じ取っている。
「気持ち悪い……ような、気持ち良い……ような……」
不思議な感覚だった。
男のモノを挿れる感覚とは、根本的に違う。
細いし、全然冷たい。
「当たり前……か……?」
それから小一時間ほど、リリエルは自慰行為に耽った。
とはいえ、初めての行為にリリエルは四苦八苦し、終わる頃にはぐったりしていた。
「……き、気持ち良かったのかどうか分からない……」
少なくとも男と交わった時の得も言われぬ快感、いわゆる絶頂というやつには達していないように思う。
「んあ~~~、なんっか、不完全燃焼!モヤモヤする!」
リリエルは乱れた修道服を直しつつ、ベッドの上で悶えるのだった。
サキュバス・イントゥ・ザ・シスター、3話です。
R15的な感じになってきましたが、基本これ以上のエロ描写はないと思って下さい。
評価・感想頂いてありがとうございます、徐々に続けていきます。
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