表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

はじめに

言の葉舞う、鳴らぬ音。

夜を裂く星明かり、無為に消え。

淵へ見る目、揶揄も消す。

捻つて割れろ。試せ。

 

あなたは読書が好きでしょうか? ならば既に読みたいと思える本は決まっていますか? 大好きだ、と思う作家さんはいますか? でも、問いに対する僕の答えは『ない』です。恥ずかしながらないです。少し、おどろいた方もいると思います。小説書きなのに何故かと。ごめんなさい。仕方ないんです。どうしても飽きてしまうんです。実を言うと僕は何万字と文字を書くことは吝かではないです。物語を紡ぐのは楽しいだけなんですが……どうしても読め、と言われたならばこどもが好きそうな平仮名で書かれた話ならやっとこさ、そこが関の山です。皆が揃って褒め称える素晴らしい哲学書。映画化もされていて読めばきっと涙を流すであろう恋愛小説。よく薦められますが実は読めません。だけど僕は小説を書きます。理由を言うならばそれはカッコいいからです。誰に何と言われようともただそれだけです。だから小説作法なんて知ったこっちゃない。そんな僕を見かねてか、本を無理やり貸しつけてくる友人もいます。その時ばかりは、有難うって言いますが貰って家に帰ったらすぐに物置に直行。とりあえずはここにと置いて何年間も。気がつけばかなりの冊数になっていて少し驚くことも。だからたまには手に取ります。埃被った表紙を軽く撫ぜ、まだ見ぬストーリーに思いを馳せてみて。でも読まずにまたね、と声をかけて再び戻します。物置の彼らは最早本の意味を為してません。今酷なことをしていると理解はしていますがすぐに行動には移せません。たかが本ひとつさえも愛せません。でもどうしても、本を読むふりくらいはしたい。字を読むのは苦手、でも読書家への憧れは十分にある。そんな人向けの小説もどき、ほとんど見た目は小説だけど中身は玩具、みたいなあまりにも都合の良い本が欲しい。ならば書けばいい。みんなに受け入れて貰えずとも僕だけが楽しめる、読むのが楽しいと思える小説を書けばいい。だから手始めにこの作品を書いてます。これから、どんな風なおもちゃを作ろうかとわくわくしながら書いてます。線や絵を描ける作品だったら楽しそう。それとも、あらゆる平仮名を使い切った文章だとか。「実はですね、よく見るとこれ四十六文字あからんまでの平仮名で作られている文字群なんです!」って紹介しながら。やり方はまだ分からないけど。でも文章のフリしたパズルばかりが載っている本は面白そう。その仕掛けはそれぞれ違っていて、頁を捲る解く楽しみが尽きないだろうなぁ。あ、どうせならこの作品にも五十音にまつわる仕掛けをすこし置いておこうかな。各行の一行目を縦に読んでみたらいいみたいな。この世にもっとこんな本があったらなあ……





ことのはまう、ならぬおん

よをさくほしあかり、むいにきえ

ふちへみるめ、やゆもけす

ひねつてわれろ。ためせ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ