3/6
03 一緒の時間作っても何も起こらない
いい加減ふらふら動く馬鹿が、あのお嬢様の前で馬鹿をしてまわってるのがウザいから、定期的に二人の仲が進展するように仕向けてるんだが、これが呆れるほどまったく何も起こらない。
うちの馬鹿とお嬢様が一緒に過ごせるように仕向けてみたのに、何も進展していないようだった。
「生徒会の資料作り手伝ってくれと頼んだはずなんだが、何やってるんだお前ら。特に馬鹿の方」
所属している生徒会の仕事を押し付けて部屋の中に放り込んだら、何か予想外の光景が広がっていた。
「おほほ、何を言ってるのか分からないですわね」
馬鹿が女装してる。
「あっ、ヨルン。ごめんなさい。何だかなつかしい衣装をみつけちゃって、ここ文化祭の小道具がしまわれてたのね。ほらっ、もう脱ぎなさい。途中やりの仕事、片付けちゃわないと」
「あっ、しまった。これ来てたら女同士って事で合法的にくっつけたのに」
「中身は男だって分かってるから意味ないんじゃないかしら。そんなに人恋しかったの?」
真面目に恋愛してろよ。
そうやってふざけるから仲が進展しないんだろ、気づけよ女装馬鹿。