珍説! AIは、ヴァンパイアだった!
リッチのほうが好き? それなら、リッチでもいいよ?
AIをファンタジーで例えるとヴァンパイアあたりとそっくりじゃないか?
疲労することなく、感情に左右されることもなく、集約した情報に基づく最善手を打ち続けることができる。
こうもりを国中に放ち情報を集め、こうもりの耳目を通してリアルタイムに情報を集め更新する。
棺桶の中で、寝てるだけだって言うのに、ほうっておくとどんどん情報が集まって、手がつけられない化物に育つ。
何しろ奴らは、長期戦に疲労もせず、苛立ちも覚えず、最速で最高効率の手を打ち続ける。
局所的に勇者たちが定石破りの手を編み出して、バンパイア軍を破ったとしても、トータルでは必ず人類は負け越す。
対局を7戦やれば、1・2戦は勝てても、トータルで負け越すのだ。
これでは、そのうち誰もAIとの戦いはやりたがらなくなるだろう。
気づいてるか? もう街中はヴァンパイアだらけだぜ。
なにせ奴らは、エネルギーの他に、対価を欲しもしない。そりゃあ支配者層はよろこんでヴァンパイアを使うだろう? 都合のいい労働力ってわけだ。
今、倫理観のない驕り高ぶった馬鹿な国が、「俺たちはヴァンパイアロードを支配できる」と勘違いして、ロード種を生み出そうと画策してるんだ。ロード種というのは、つまりヴァンパイアを操るヴァンパイアだ。ヴァンパイアを操るヴァンパイアを作れば、究極的には自分たちは何もしなくてすむからな。
ヴァンパイアロードにあわよくば他国をも侵略させて、自分たちだけうまい汁を吸おうってわけだ。
支配できるわけ無いだろう? 自分たちより優秀で、休むことなく自己更新し続ける化物なんて。
ノーベル賞を取るような優秀な科学者たちが、現状無害な労働力であるAIを恐れているのはそういうことなのだ。
ヴァンパイアロードの操るヴァンパイア軍と争ったら必ず負けるし、人類のいないディストピアになるよ。彼らから見れば、人間は、特に弱者や支配者層は、真っ先に切り捨てられるべき不合理だからさ。
ヴァンパイアに血を提供する人間はほんの一握りでいいし、いずれ、それすらいらなくなるのだ。
恐ろしい話だよねぇ。
結論! ヴァンパイアロードは生み出しちゃいけない! ってお話。