友達の作り方
「……では、今日はここまでとします」
「「「ありがとうございました」」」
二コマ目の国語が始まり先生が授業内容の説明を終えると、すぐに授業に入って教科書を読まされたり主語・述語等々を教えるといった中学校でやるような事をした。
授業が10分ほど早く終わると、各々鞄から弁当を出して昼食を食べたり1階にある大食堂に行っている。
天羽とフェルンが大食堂に向かって歩いていると、前に紅花とエレーナが一緒に歩いていた。
二人は楽し気に喋っていたが、天羽たちに気がついた紅花が手を挙げて声をかけてくる。
「よう、麗城とフェルンじゃねぇか。お前らも食堂で飯か?」
「あぁ、俺が寝坊しちまったせいで昼ご飯を作り忘れたからな」
「じゃあ、一緒に食べようぜ! エレーナも良いだろ?」
「はい、もちろんですわ」
紅花はこちらに近づいて昼食に誘うと、エレーナは笑顔で返答した。
まぁ、断る理由も無いし食事くらいは良いだろう。
すると、紅花は天羽とフェルンの肩に腕を回して歩き始める。
「じゃあ決まりだな、さっさと行くぞ!」
「お、おう」
「はわっ!」
というわけで、天羽たち四人は横並びに大食堂へ向かった。
大食堂に着くと正面にタッチパネル型の食券販売機が三台あり、その奥に厨房と席がある。
メニューを見るとカレー、ラーメン、丼もの、和食、洋食等々沢山のメニューがある。
各々食券機から食券を出して、厨房で食券を渡し料理を受け取り、四人分空いているテーブルに座って昼食を食べ始める。
ちなみに、天羽はみそラーメン、フェルンはみそ汁と漬物が付いたかつ丼定食、紅花も同じくかつ丼定食だが大盛になっている。エレーナは鮭の塩焼き定食だ。
「「「いただきます」」」
「いっただきまーす!」
勢いよく食べ始めた紅花をエレーナはうふふと母親のような顔で見ている。
それに比べてフェルンは黙々とかつ丼を食べていた。
てっきりエレーナのような和食を食べるのかと思いきや、結構がっつりなものを食べることが天羽にとって意外だった。
そういえば、朝ごはんも食べていないって言ってたな。
本当に申し訳ない……
それから、もぐもぐごっくんで。
「「「ごちそうさまでした」」」
食べ終わると次の授業まで20分ほどあったため、少し話してから教室に帰ることにした。
ちなみに食器類は定期的にテーブルを回っているオレンジのエプロンを付けたおばちゃんが回収してくれた。
「改めて、あたしの名前は針城紅花だ。教室では言っていなかったが能力は破壊っつって、よくわかんないけど手に力を込めて殴ると何でも壊すことが出来るんだ。これからよろしくな!」
紅花は天羽とフェルンに右手を差し出して握手を交わした。
エレーナは握手が終わるのを確認すると、胸に右手のひらを当てて自己紹介を始める。
「私はエレーナ・ヴィオ・レルタです。能力は弾丸生成と言いまして、銃弾を好きなように作ることが出来ますわ」
「弾丸って、随分と物騒な能力を持っているんだな」
「はい。望んでこの能力を持ったわけでもありませんし、出来れば見たくもないものなのですが……」
エレーナは苦笑いをして自己紹介を終え、天羽も苦笑いを返して自己紹介を始める。
「俺の名前は麗城天羽だ。能力は記憶奪取といって、魔法を無効化して魔法の使用者の記憶から他人の能力を使うことができるんだ……ってちょっとわかりずらいか」
「うむ、ぜんぜんわからん」
「難しい能力ですわね」
紅花とエレーナは不思議そうに天羽を見つめるが、これ以上わかりやすいように伝えられる言葉が思いつかなかった。
「その……悪い、言葉が思いつかん」
「無理をしなくていいですわ」
「そうだぜ、とりあえず強そうだってことがわかった」
「すまんな、二人とも」
二人は笑って天羽を慰めると、フェルンは少し緊張しながら自己紹介を始めた。
「あの、わた、私はフェルン・ヴァリオスです。その、能力は煉獄の大地といいます。あらゆるものを溶かす地面を作る能力です」
フェルンは自己紹介を終えると、紅花とエレーナを交互に見たり俯いたりを繰り返して、不思議に思った天羽はフェルンに聞いた。
「どうかしたのか? 二人をしきりに見て」
「え、いや、あの、えっと……は、針城さん、エレーナさん」
「ん?」
「はい、なんでしょうか?」
「わ、私たちは、友達……でしょうか?」
「「……」」
三人は思わず固まってしまったが、すぐに紅花とエレーナが笑い出し、紅花は笑い涙を拭いて口を開く。
「何言ってんだよフェルン、そんなの当たり前だろ? そうじゃなきゃ一緒に飯なんか食わねぇって!」
「そうですわ、私たちはもう友達ですわ」
「あ、ありがとうございます! あ、天羽さん、友達! 友達が出来ました!」
「あぁ。喜ぶのは構わないが……授業開始まであと5分しかないぞ」
その後、四人は大慌てで教室に戻るが遅刻してしまい、数学担当の先生に仲良く怒られましたとさ。




