怒り
友トリオの言動で激怒する福野と本川。そこから新しい偏見が生まれてしまった。
プツン
なんかの線が切れたのか?糸なのか?ギターなのか?いや、教室にギターなんてあるわけない。ではなんの音なんだ?それと同時に顔が熱い。
「おい、お前…大丈夫か?」
本川が自分の怒りを忘れたのか、僕のことを心配しているようだ。
「なんで?なんか異常でもあった?」
「異常だよ!顔がすごい赤いぞ!」
自分がやっと怒っていると気づく。たぶん僕たちのことではないはず。でも含まれていることは確か。だから本川や自分もありえないぐらい怒りまくっていたんだ。
「人間って結構単純な生き物だね。」
「そだね。人間って怖いな〜」
あははは。人間って恐ろしいね。こんな会話も楽し…くなーい!それどころではない。自分のこと貶されたんだぞ。こんな呑気な話している場合ではない。
「どうするんだ。批判コメントしたほうがいいんじゃない?誹謗中傷コメントはするなと言われたけど明らかにあっちが悪いし問題ないと思うよ。」
「そんなの無駄だよ。」
「なんで?」
「100個あるアカウントの71個目のアカウントで批判したらブロックされた。」
「自分勝手にも程があるだろ。」
「だから無駄なんだって。」
まぁもっと驚いたことはアカウントのこと。どんだけ持っているんだよと突っ込もうと思ったけど言葉がなぜか出て来なかった。
その日はそのことで頭がいっぱいだった。本川に至っては、
「潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す絶対に潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰すネットの怖さを思い知らせてやる。」
と狂ってしまった。さあ、彼はどんなことをするんだろう。殺しはやめてくれよ。
しかし偏見はまだあった。
翌日。いつものように音浜と学校に行く。しかし音浜の顔はなぜか勝ち誇ったような表情をしている。
出発早々、
「友トリオの動画みたよ。」
なぜ急にそんな話をしてきたのだろうか?
「あいつらの言う通りだ。二次元はゴミだ。」
少しカチンときた。
「いや、なんでそんなことを言い出すの?てかあんたもアイドルアニメ好きだったよな?裏切ったな!」
「裏切った?俺は正しい判断をしただけだ。アニメから本物のアイドルに乗り換えただけだ。」
「なんでだよ?確かに今は違うけどお前なら理解できるだろ?二次元のいいところ。」
「悪いところしかないでしょ?あんな犯罪予備軍…いや、犯罪者だな。乗り換えて正解。あの頃の自分はどうかしてたぜ。」
「今のお前の方がどうかしてるよ。」
「とりあえず今のお前キモいからな!」
「はぁ?同じだろ?」
「いや、全然違う。俺と比べものにならない。」
「どこが?顔か?性格か?少なくとも性格はいいと思うけど。」
「違うね。お前が鉄道オタクで二次元好きだからさ。」
なんか調子乗っている。まるで友トリオみたいに。しかしこの言葉を聞いた瞬間自我を失ってしまった。
「だから彼女できねーんだよ。キモいからな。」
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