表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

決着 そして

コーナーを立ち上がったとき、バックミラーにはG4の丸いヘッドライト...ではなく、エキシージのまぶしいLEDライトが輝いていた。

前を見ると小さなボディと丸いテールランプが前を走っている。

「抜かれ...た...?」

加速でアドバンテージを取り、半車身程前にでたハチロクが絶対有利の状況で抜かれた。

あまりの一瞬の出来事に頭がついていかない翠。


フルブレーキング直後、コーナーをドリフトで突っ込む2台。

やはりインにいるハチロクがジリジリと離す。

「いける...もうこの先はない...!私の勝ちだ...っ!」

しかし...


「!!?」

コーナー後半、ハチロクのボディがアウトに膨らんだ。

そのすきにG4が一気にアクセルを開ける。

「行っけぇ!!」

エンジン全開。レッドゾーンの8000回転まで一気にブン回す。マフラーから炎を吐き、甲高いエキゾーストがハチロクの左側から聞こえる。

焦った翠はアクセルコントロールミス。減速したハチロクの前をG4が走る。

「勝った...」

その瞬間、激しいドッグファイトは幕を閉じた。



ゴール直前の直線。

大勢のギャラリーに最初に姿を現したのはG4だった。

「G4が前だ!!」

その言葉に歓喜が巻き起こる。

後ろからハチロクのヘッドライトも追いかけるが、追いつくのは不可能。

そのまま一直線にゴール。葵が勝ったのだ。


「凄いよ葵さん...私とは桁が違う...」

「そんな事ないよ!私だって最後の最後でやっと前に出れたし...」

「でも、なんで最終コーナーの後半、あんなにラインがふくらんだろ...」

二人が考えていると、

「後半の方がRがきついからだよ」

と博人が言う。

「え?」

「後半の方がきついコーナーだから、前半のスピードのままだと後半オーバースピードになるんだ」

「そうだったのかぁ...でも葵さんあの時結構ゆっくり突っ込んだよね?」

「うん...なんか直感的にああなったの」

「えぇぇ...でもアウトから大きくラインとれたから問題なかったのね...」

「かもね...でも翠ちゃん速かったよ!私半分あきらめてたし...」

「そ...そうかな...」

「二人とも速いさ。榛名のコースレコードを更新したんだぞ?」

と博人がもう一言。

「えっ!?」

「それにあんなドッグファイトは久々にみた。凄かったよ、君たちの走り。」

「あ...ありがとうございます」

「近々俺とバトルしてくれないか?」

「私はいいですよ?翠ちゃんは?」

「私は...まだいいかな」

「分かった。予定が決まったら伝えに行く。じゃあな」

そう言うと、白のエキシージは去って行った。


「翠ちゃん!今日はありがとう!」

「いえいえ...私の方こそありがとうございました」

「また今度一緒に走ろうよ!」

「うん...!」



次の日。

「いやぁ!!昨日のバトルは凄かったッすね先輩!」

「あぁ!しびれたよほんとに」

「でもあの翠ちゃんとか言う人も凄かったっすね」

「あぁ。旧式のサスペンションであんなに行けるもんなんだな」

「凄いっすよね」

「お前凄いしか言ってねぇじゃん」

「だって凄いっすもん」

輝之と一樹が話をしていると、白いエキシージがガソリンスタンドに入ってきた。

降りてきた青年。イケメンた。

「とりあえず...ハイオク満タンで」

「ハイオク満ターン!」

一樹の大きな声がスタンドに響く。

「なぁ、君たち、スーパーコメットのメンバーだろ?」

青年が一樹に声をかける。

「えぇ。そうですけど?」

「青いG4乗りの明日川とか言う娘に、伝えてほしい事がある」

「はい?」

「明後日の夜11時。碓氷頂上で待つ。と言っておいてくれないかな」

「わ、わかりました」

「頼んだよ...おっと、名前をいってなかったね。俺は、碓氷ナイトエクセレントのリーダー。工藤 博人だ。」

そういうと、車に乗り込み、スタンドをあとにするエキシージ。

「せ...先輩」

「あぁ...これは...」


「挑戦状!!」


午後8時。葵の携帯が鳴る。

「もしもし?」

「明日川!!大変だぞ!ナイトエクセレントのスーパースターから挑戦状だぜ!?」

「え」

「う...受けるよな!!?」

「うん!勿論受けるとも!」

「おぉぉお!!流石我らが青い彗星!」

「...彗星って元々青じゃない?」

「...」


「挑戦状かー...あのエキシージ速かったもんなぁ」

「見たことあるんすか先輩」

「あぁ、凄いスピードでコーナーをクリアするんだよ」

「まぁ、元々ロータスはハンドリングで有名っすからね...しかもミッドシップ」

「葵ちゃんにとっては苦しい戦いになるかもな」

「そうっすね...あぁぁ、俺も明日川みたいに速くなりてぇよぉ」

「今夜一緒に走るか?」

「まじっすか!走ります走ります!」


午後10時。碓氷を走り出した二人。


このとき、一台の車が近づいていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ