風邪っびき愛雅と泰芽の心臓
とある日、エミヤが泣き出した。
俺は少し驚いてから納得して、エミヤをベッドへ寝かせた。
「ぅ……ひっ……っ……うぅ…っ」
ベッドの中に入っても、布団を剥ごうとしたり、俺に抱きついたり、ベッドから出ようとしたり、かなり落ち着きがない。
俺は通例でエミヤをベッドに寝かせ、どうどう…と覆うように抱きついて頭を撫でた。
しばらくそうしていると寝息が聞こえてきた。
それから少し間をあけ、俺はエミヤから離れた。
改めてエミヤの額に手を載せてみる。
……………40℃前後か。
この行事ばっかりはもうどうしようもなく、ただただ頭を全力で冷やしてやるしかない(物理)
とりあえず冷え○タと氷枕。
エミヤにしかわからない感覚だろうが、すべての音が少しずつずれて聞こえ、何をするにも落ち着かなく、違和感しか覚えないのが怖いんだそうだ。
どうにも逃れられない違和感に耐えられないらしい。
でも、その違和感は必ず24時間で熱と共に消滅する。
タッた…タッた…タた…
違う。タッタッタの筈でしょう?
ああ…ことごとくすべてのリズムが、ずれていく。
気持ち悪くて気持ち悪くて、吐きそう。
いつまでこんなこと続くの?
時計の針の音さえ気持ち悪い。
ああ、気持ち悪い。
怖い。
吐きそう。
どうしたら逃れられる?
メトロノームの音も一定に聞こえない。
歪みが止まらなくて、怖い。怖い。
トッ…トッ…トッ…トッ…
………あれ?
他の音が聞こえなくなった。
…ああ、一定だ。心地いいリズム。音階。…暖かい。
こわくない




