姉様の忘れ形見
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
僕はユウヤ。
幼い頃から王として、数々の英才教育をきて僕だったが…
家族への接し方がとんと解らない!
そんなことを学ぶはずもないし。
幼い頃、両親と家族らしいことなんてした覚えがない。
しかもエミヤは(僕のせいで)かつてないほどの不機嫌だ。
けれどこの困難を越えなければ家族になんて…!
「エミヤ…?」
ふと思ってしまった。
僕がエミヤと家族になんてなれるわけがないと。
エミヤと一緒に居るべきは、やはり僕ではなくタイガなのだと。
「ごちそうさまでした」
朝食は残さず食べてはくれたけれど…、会話は全くなかった。
きっと、魔界へ行ってもエミヤはこのまま。
永い永い時を一緒に過ごせば、少しは解れるだろう。
けれど
『千年も一人で居ろと?』
ああ…
タイガ、君の言う通りだ。
エミヤは…その永い時までの間、一人になってしまう。
そして、僕が死んだあとも…
誰か。
神でも悪魔でも何だって良いから…エミヤを救い出して。
僕はどうだって良い。
たった独りの、大切な家族なんだ。
けれど…僕は帝王。
その為だけに生まれてきた。
それを恨んでなんか居ない。
だって、僕は帝国民を守らなければならないんだ。
僕でなければ守れない。
だからこそ僕はこの命の全てを、帝国民のために使う。
だから
…ねぇ、頼むよ。
たった一人の家族を僕から奪って。




