夢
「ユキカ、ユキカ、」
僕を呼ぶ声に目覚め、重い瞼を開けると天井と目が合った。
二段ベッドの上の方。
僕が幼稚園の頃に、絶対に上が良いって言って、ナツカに譲って貰ったんだ。
本当は一緒に寝たかったんだけど…
でもそんなこと言えなくて、それ以来ずっとこうだった。
「…………え?
ナツカ…………………?」
もう居ないはずのナツカの声が、当たり前に聞こえていた。
「そうだよ。ユキカ。」
僕はベッドから体を起こした。
「…ナツカ……生きて…?」
僕の言葉にナツカは、何も言わずに微笑んだ。
「……そうだったんだ!
ああ、なんだやっぱり!」
僕は立ち上がってナツカを抱き締めた。
「ナツカは死んでなんかなかったんだ!
そうだよ!ユウヤがこんなことするはずない!
エミヤがこんな結果招くはずない!
ホントは解ってたよ!!!」
すると、ナツカはゆっくりと僕から離れてスッと目を細めた。
そして顔だけを近づけ、耳元でささやいた。
「嗚呼、ユキカ。
こんな風になってまで、君は彼らを信じているんだね」
僕を殺した彼らを。
ナツカが言ったかも解らない言葉が、僕の脳の中でこだました。
「ぁ……………」
消え去ってしまったナツカの後ろには―
「ッ…イタッ!!!」
飛び起きたら、天井に頭突きした。
痛む頭を押さえながら僕らの部屋を見渡してみた。
…僕らの部屋には、僕しか居ない。




