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異端のLegitima   作者: 瑞希
《奇怪の異能》
5/100

《火の…能力?》

気がついたら月曜日でした。

すみませんm(_ _)m

気を付けます!

エミヤたちは特殊能力部で話を聞いたあと、

悪魔の浄化にいくことになり、

駅前の時計塔に待ち合わせということで一旦解散になった。


「タイガ…あんた何でそんなに冷静なの?」

「………部長も言ってたろ?

 害虫駆除のボランティアみたいなもんだって」

「それは…そうだけど…。」

解散になったあとも、頭の整理がついていないエミヤだったが、

一番冷静ではないと思っていたタイガが案外冷静だったため、

家につく頃にはかなり落ち着いていた。


「力の使い方とかも習えばできるだろ。」

「そんな能天気でいいのかなぁ…」

そんなことをぼやきながら、

すぐに準備を済ませ、駅にある金時計塔に向かった。


「なんで…こんな人通りの多い……」

人通りが多く歩きづらそうだったエミヤだが、

タイガが手を引き歩きやすくなった。

しかし、今度は恥ずかしくなってしまい、

エミヤは思わず顔を伏せた。


「ちょ…痛いっ。タイガ、力入れすぎ…!」

「え…、わ、悪い。」

歩くに連れタイガの手に力が入り、

痛みに耐えかねたエミヤがそういうと、

タイガは慌てて力を緩めた。


(って、また力入って来てる…

 やっぱり本当は緊張してるのかな?)

そんなことを考えているとエミヤたちは金時計塔に着いた。

自然と手を離し、周りを見回してみると、

ハヤテとサキアが歩いてくるところだった。


「部長さん、サキアさん!」

エミヤが二人に手を振ると、こっちに気づいた


「よう。」

「エミヤちゃん、タイガくん。さっきぶりね」

「はい。こんにちは」

「どうも」

エミヤたちはそれぞれ挨拶を交わして、

ナツカとユキカが居るかどうか確認するため、

ぐるっと金時計塔の周りを回ると二人も居た。


「私たちが一番だったってことだね!」

勝ち誇った顔のユキカがガッツポーズで笑った。


「いつもこうだと良いね…?」

ナツカが自分の妹に微笑みながらも冷たい視線を送った。


「うっ」

「いつもは遅れてくるのにな」

「ううっ」

ナツカとハヤテから、痛いところを突かれたユキカが撃沈していると、

何処からか携帯の着信音が聞こえてきた。

聞き覚えのある着信音に、

エミヤが自分の鞄を探ると白色のスマホが光っているのが見えた。


「すみません。ちょっと出てきます…」

「ファミレスで待ってるから

 焦らなくて良いわよ、気をつけてね」

お辞儀をしてからその場を離れ、

着信を見るとマネージャーの芝崎しばさき 佳代かよだった。


『もしもしエミヤ?』

電話に出るといつも通りの凛とした声が聞こえた


「はい、どうかしました?」

(今日はオフの筈だけど…。何か有ったのかな?)

エミヤが疑問に思っていると、

佳代は珍しく歯切れ悪く切り出した。


『実は…』



「エミヤ遅いな」

エミヤに言ったとおり、

近くのファーストフード店に入ったタイガたちは

エミヤの帰りを待っていた。


「遅いって言ってもまだ五分も経ってないよ」

ナツカが自分のスマホの画面を見て言った。


「タイガくんは心配性だね~」

ユキカがニヤニヤとタイガを見ながらジュースを飲んで言った。


「方向音痴だし、直ぐバレるし……」

窓の外をチラチラと見ながらタイガが独り言のように呟いた。


「まあ?何故か

 うちの部長までハラハラしてるけど」

サキアの隣に座るハヤテも、

飲み物を飲んでは窓をチラチラ見て…。

タイガとやってることほぼ同じだ。


「まったくこの2人は」

ナツカがユキカにパフェをあげながら呆れた声で言った。


「そーだよ。モグモグ…

 何か食べて落ち着いたら~?」

ユキカは貰ったパフェを食べながら、ご機嫌に言った。


「あ、来たみたいね」

サキアが窓の外に居るエミヤに向かって、

手招きすると気付いて店内に入って来た。


「遅くなってすいません」

「大丈夫、五分も経ってないし」

エミヤはみんなにお辞儀をしながら、タイガの隣に座った。


「よし、それじゃあ、細かい説明ね」

悪魔には強さ別に階級があり見た目も違う。

「上級」熾悪魔、智悪魔、座悪魔。

「中級」主悪魔、力悪魔、能悪魔。

「下級」権天使、大悪魔、悪魔。

これの総称がリビドー。

過去の書物には魔導師や天使などもいると言う記載もあるが

もはや伝説と化していて事実かは不明。


「次は倒し方。」

倒す方法は二つある。

一つは何らかの方法で息の根を止める。

もうひとつの方法は悪魔のどこかにある、

刻印を攻撃し浄化する方法。


「最後に私たちについて。」

能力者レジティーマは悪魔から一般人を守るのが使命。

悪魔を確実に倒せる唯一の存在のためか、悪魔から狙われる。

そのため、正体を隠すと同時にお互いの身を守らなければならない。


「他にもあるが、それは追々…だ。

 そろそろ行くぞ。」

飲み物を飲み終えたハヤテは立ち上がりみんなを促した。


「―悪しきものをこの目に映せ―」

外に出て一目につかないところまで出ると、

サキアが紫色の指輪を小指から外しそう唱えると

紫の瞳が赤く輝いた。


「あっちの方の公園にいるわ。」

「案内してくれ。」

ハヤテの言葉にサキアが頷き“それ”向かった。


「あれが…?」

道外れの小さな公園につくと、

そこには、真っ黒で大き目の、

牙が生えたハムスターのような生き物が居た。


「ああ。目は合わせない方が良い。」

「え?どうしてですか?」

ハヤテは言うだけ言ってエミヤの問いには答えなかった。


「人通りもない。今のうちに」

「りょーかい!」

ユキカが元気よくハヤテにそういうと、

双子はブレスレットを同時に外し悪魔に指を指した。


「「―水の弾丸よ貫け―」」

双子が同時に唱えると指先から水が銃のように放たれ、

見事頭を打ち抜いた。


「キィッ」

しかし、苦しそうにもがきながらも、

尻尾から炎の弾丸をエミヤたちに向かって、いくつも放った。


「げっ!―水の盾!―」

ユキカは嫌そうな顔をしながら、水で盾を作った。


「―炎よ燃やせ―」

タイガはぶつぶつと何かを言った後、

そう唱えると右手から出た火を悪魔に放った。


「キィィィィィッ」

悪魔は悲痛な声を上げ消えた。


「おおっ!初日に出せるようになるなんて凄いじゃん!」

ユキカが肘でタイガをつっつきながら褒めた。


「ははっ~。そうっすか?」

頭を掻きながらタイガは笑い声を上げた。


「…報告のために部室に戻るぞ。」

ハヤテはタイガをじっと見つめてから言った。

聖神中学は私服可なので、このまま校舎に戻っても問題ない。


「私、何も出来なかった…

 本当にレジ…なんて使えるんでしょうか…」

帰る途中、未だに自分が

能力者であることを信じ切れていないエミヤは不安をこぼした。


「最初はそんなもの。

 焦らなくても大丈夫だよ」

ナツカはそんなエミヤに安心させるよう優しく微笑みかけた。


「お前の場合は声だからな

 レジの中でも特殊でゼノという…。」

ハヤテはさらっと新しい情報を口にして、考え込んだ。


「そうねぇ、実際どうやるのかしら」

サキアもハヤテと同じように考え込んでしまった。


「まあ、志保さんにでも聞いてみよう。」

(顧問だからなのかな…?)

エミヤは疑問を抱きながらも

ハヤテが言う通り部室に着き次第、志保に聞くことにした。

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