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異端のLegitima   作者: 瑞希
『樹木の導き』
40/100

『王へ枷を』

ファミリーレストランに入った、中学生たち。

特殊能力部 部長ナツカ、副部長代理ユウヤ、エミヤ、タイガ、セツナ。

五人は大学生組のアリアの姿を窓側に見つけ、その席についた。

先にそれぞれ飲み物を注文すると、ナツカがアリアに部員の紹介を始めた。


「この3人が新しく入った部員です。

 セツナは、良いですよね。」

ナツカとセツナとは何度か会っているらしく、ナツカは自分の説明とセツナの説明は省いた。

アリアもそれに頷き、エミヤ達に向かって自己紹介をした。


「初めまして。

 私は彩瀬あやせ 満逢ありあ、木です。

 弟がお世話になっています」

弟のケイとその端整な顔立ちは似ていたが、纏う雰囲気がアリアの方がかなり柔らかかった。

天然、という言葉がよく似合う可愛らしい印象を受ける。

エミヤもアリアに倣って、戸惑いながらも自己紹介をした。


「こちらこそ…。

 私は、音澤おとさわ 愛雅えみやです…、音です。」

戸惑ったのは、自分の能力レジを言うのはまだ些か馴れなかったからだ。

そんなエミヤの姿を見て、タイガとユウヤも続いた。


火砕がさい 泰芽たいが、火です。」

「3年に入った。

 仇篠あだしの 夕闇ゆうや、闇だ。」

雑でも一応敬語を遣っているタイガとは逆に、ユウヤは敬語は使っていなかったが説明は丁寧であった。

二人の見事に対極な二人に、やっぱり仲良しだな…とエミヤは密かに思っていた。


「えっとぉ…

 エミヤちゃんと、タイガくんと、ユウヤくん…ね!」

アリアは一人一人の目を見ながら名前を確認した。

それぞれが頷くと、アリアは安心したように笑った。

名前が確認できると、アリアはユウヤに話しかけた。


「ユウヤくんは魔界から来たのよね?」

アリアの言葉を聞いたユウヤはピクリと眉を動かして、アリアをキツく睨んだ。


「なぜそれを?」

「へっ?」

驚いて怯えて見せたアリアを見て、ナツカはユウヤを軽く叱った。


「誰彼構わず睨まない。

 アリア先輩は上の立場だから、自然に耳に入ったんでしょう」

「ふーん…?」

ナツカの言葉に、ユウヤから殺意に近い敵意は消えた。

二人の相性は良いようだ。

考えてみればユウヤは基本的には人懐っこいし、ナツカも人を嫌うことは少ない。

兄が部に馴染めそうで良かったとエミヤは安心した。


「自分の話を知らないところでされるのは嫌よね…

 ごめんなさい。

 無神経だったわ。」

素直に謝ったアリアに、ユウヤからは警戒心も消えた。


「…いや、上の立場なら仕方ない。

 それで、それがどうしたの?」

ユウヤはいつもの優しい口調に戻り、アリアに改めて聞いた。

アリアは照れ笑いを浮かべておずおずと聞いた。


「ちょっと興味が湧いちゃって…。

 魔界って、どんなところ、なのかなって…」

「別に、普通だよ。

 こことそんなに変わらない。」

ユウヤの言葉に、アリアは酷く驚き優しげな雰囲気は消え、怪訝そうな顔をした。


「ふ、普通…?

 普通なの?」

「そうだよ。

 もちろん、服とか容姿は違うけどね」

「…どう違うの?」

アリアのさらなる問いに、ユウヤは小さく首をかしげながらも普通に答えた。


「国によって違うな。

 でも、そこまで大きな差はない」

「…そうなの。」

アリアは席にもたれ、ため息をつくと窓の向こうの空を見上げた。


「考えてみると不思議ね。

 こんな世界の他に、似たような…でも違う世界があるなんて」

一人 黄昏たそがれたアリアに、ユウヤは今度こそ首をかしげた。


「そう?」

「思わない?」

アリアの問いに、ユウヤは少し悩んでから答えた。


「………そう、かもね。」

「ふふっ。」

ユウヤが同意したからか、アリアは微笑んで見せた。



話が切れたのを見計らったセツナがナツカに声をかけた。


「あの、属性王などの説明はしてありますか?」

セツナの言葉にエミヤを中心に、タイガとユウヤは首をかしげた。


「王様?」

「………ごめん、してなかった。」

額に手を当てながらナツカは項垂れた。

セツナに冷たい視線を向けられるのが分かっていただろう。


「1年も…」

「あ、ははは」

案の定向けられた冷たい視線と威圧的な声に、ナツカを苦笑いするしかなかった。

二人に代わって、アリアが三人に説明した。


「上の立場って言ったのは、私が木の女王だからなの」

セツナが疑問を抱いた理由が、自分が上の立場ということを知らなかったことだと悟ったのだ。


「女王…?」

「うん。

 私の場合、名ばかりなんだけどね」

アリアは、苦笑いを浮かべながらエミヤに言った。

セツナの冷たい視線を掻い潜り、ナツカは三人に視線を向けた。


異端ゼノの話はたしかした、よね…?」

「えっと、私はハンナちゃんから…」

「俺はされてない。」

説明しなければならないことを二つもしていなかったことで、セツナから呆れを超え、怒りの視線を向けられた。


「1年も…!」

「あはは………。」

もう笑うしかないナツカは、密かに前部長に悪態をつきながらセツナから必死に視線をはずした。


「ゼノ…異端っていうのは、

 火、水、木(植物)、土、風、雷の6大属性から外れた能力のこと」

「今居る異端ゼノはエミヤちゃんを含めて七つだけ。」

「七つ…。」

七という数字に反応したユウヤに、アリアは苦笑いでテイセイシタ。


「でも、ユウヤくんも入れたら8になるわね」

「そ、そんな簡単に変わるのかい…?」

困惑した様子のユウヤに、アリアは呆気からんと答えた。


「言ってみれば、“その他”だから」

「ああ…」

落胆した様子のユウヤに、心外という風にアリアは少し頬を膨らませた。


「でも、その“その他”が重要なのよ?

 ね?」

先輩であるアリアに視線を向けられたセツナは、ナツカに視線を向けるのをやめて説明をした。


「はい。

 ですから、異端ゼノ能力者レジティーマのなかで

 一番強い力と権力を持っています」

「権力…?」

タイガが訝しげに聞くと、セツナから解放されたナツカは安堵の表情を浮かべてタイガに答えた。


「発言力とか重宝されやすいってこと。」

「ほう…」

聞いたタイガではなく、ユウヤの方が食い付いてきた。

それを見たアリアは悪戯っ子の笑みを浮かべ、何故か窮に声を潜めた。


「でも強いのは異端ゼノだけじゃないの」

そんな風に面白おかしく説明しようとしたアリアと対照的に、ナツカは普通に言おうとした。


異端ゼノと同じくらいの力を持ってるのが、属性王。」

「お、王さま…」

普通に説明されたことに、アリアは不満げに頬を膨らませた。

だが、それでもエミヤが十分に驚いて見せてくれたことに、アリアは気分をよくした。


「そうそう。属性のなかの王さま」

「私たち全員属性王です」

またも後輩に普通に説明されたアリアは、ガクッと肩を落とした。


「…え?!」

「ナツカ先輩も、セツナも?!」

今度はエミヤだけでなく、タイガもユウヤでさえ驚いた。

セツナはさらに驚くべきことをさらりと言った。


「はい。

 というか、今年度の能力者全員ですね」

「?!!」

セツナの言葉にナツカは付け加えた。


「ケイは植物の騎士っていう王の一つした。

 幼稚園組のミナトくんって言う子も電気の騎士。」

三人はそれがどの程度のものなのか分からなくなってきた。

あまりに身近に多いからだ。


「それは、すごいものなんですか…?」

エミヤの質問に、アリアは先程とは変わって得意気にはせず、真面目な顔で口を開いた。


「自分で言うのもなんだけど、かなりすごいものよ。

 世界中で一番ってことだから。」

真面目な声音に、三人はそれが冗談でなく本当なのだと理解した。

だが、それでも世界中とは信じがたく、エミヤは思わず眉を潜めた。


「世界中…?」

「そうそう」

信じがたいのは、エミヤだけではないようで、ユウヤも不審げに質問を重ねた。


「それって、どうやって決まるんだい…?」

「リミッターらしいわよ?」

「リミッター?」

アリアのリミッターという言葉に首をかしげた事に、ナツカはユウヤに対してリミッターの説明もしていないことを思い出した。


「そうそう、私たちがつけてるもの。」

「ああ、そういうものだったのか。」

それを察してか、アリアが簡単に説明してくれ、ユウヤがすぐに納得したことでナツカはセツナに怒られずに済んだ。


「そういえば、ユウヤくんはなくても大丈夫?」

「今のところ不足はないよ」

「着けない子もいるしね」

それに今から作るのは何かと面倒。とナツカは心のなかで呟いた。

リミッターの作り方についてからさお家系以外の人間は知らない。

だが、簡単でないことは明白だった。

基本的に、リミッターは先祖代々受け継がれるものだからだ。

元のリミッターより子供の数が上回っても、あるものを量産すれば良い。

それも簡単なわけではないが、オリジナルを作るよりはマシなはずだ。

だが、オリジナルは0から作らなければならない。

何事も、0から作る、始める、というものは難しく面倒なものだ。

…もっとも、ユウヤの場合はエミヤの母、真綾まあやの存在がある。

真綾のリミッターがあれば話は別だが…。

もう20年近く前の物だ。

無い可能性の方が圧倒的に高い。

それに、リミッターがあるにしろ、ないにしろ、枷や柊に何らか干渉する必要があるかもしれないのだ。

ユウヤはなるべく能力者レジティーマと関わらない方がいい。

能力者レジティーマにとっても。

もちろん、彼のためにも。


「着けない人って、例えば誰が…?」

「先生達とかね。

 私も一回試して終わり。」

リミッターを着けることに感じて強制されることはない。

ただ、自然と着けるようになっているだけ。

アリアのように属性王であっても、着けないものもいる。

その事に、ユウヤはひとつ疑問を感じた。


「変化することはないのかい?」

「ない。

 とは言い切れないからトキドーキ着けてるわ」

「へぇ…」

ユウヤは興味深そうに一番手身近にいたナツカのリミッター、片割れのピアスを見た。

何の変哲もない、ただのアクセサリーに見えるがこれが能力者レジティーマにとって時に命綱になるのだ。


「集会の時は着けることになっていますから。」

「全員か?」

セツナの言葉に、タイガが聞き返した。


「ううん、着けなくても良い人もいるよ」

「例えば?」

ユウヤの次は今度はタイガの番だった。

エミヤは実はリミッターが邪魔だったのかな…と苦笑した。

そういえば、家に着くとすぐに外していたのを思い出す。


「それこそ、枷さんとか志野さんとか?

 制御する必要がないからね」

ナツカの言葉に、偉い人が着けなくて良いのだと知ったタイガは、何だ。とばかりに落胆して椅子にもたれた。

一方でその隣のユウヤは、タイガのように落胆することはなく口を開いた。


「なるほど…。

 それなら僕にも必要ないな。」

と納得した様子で頷きながら断言した。


「そう?

 着けておいて損はないと思うけどなぁ」

「ふふっ。そうかな?」

ユウヤとアリアは優しげな雰囲気を纏いながら、それぞれ微笑みを浮かべた。

エミヤは二人を見て、どことなく似ている所があるなぁとぼんやりと思っていた。

特に確証もなしに。

  エミヤ タイガ ユウヤ

窓側          通路

  アリア ナツカ セツナ


たぶんこんな感じだったはず。

ユウヤが当たり前のようにエミヤの隣に座ろうとして、それをタイガが全力で止める。

結果、謎の間にタイガ。

端から見るときっと三人兄弟(妹)。

その為にナツカとセツナは自然に向に行ったんだと思います。

ここに、ハヤテが居たらどうなっていたk…………。

いや、ハヤテなら向をとりますね。


そして気付けば40部!

小話とかも挟んでみようかな、と思います。

どんなのが良いですかね?

タイエミかナツユキかハヤサキか、ユウエミか…ユウタイか?!タイユウ?

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