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異端のLegitima   作者: 瑞希
〔菫の幻想曲〕
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〔腐ってなんかない〕

『タイガさん。お願いがあります』

朝起きて、ふと携帯を見るとセツナからSMSでメッセージが来ていた。


『ん?どうした?』

俺は手早くそう返して、着替えた。

今日は夏休みであるにも関わらず学校へ行かなければならない。

言っておくが、補習とかじゃない!

頭が良いとは言えないが、別に授業態度も悪い訳でもない。

高校生組と合同で部活動をする予定なのだ。


『明日、病室に来ていただけませんか?』

病院と言ったら、305号室のことだろう。

エミヤ関連なのか、それとも菫さんなのか…。

セツナの父は菫さんと同じ病で亡くなったそうだから。


『別に良いけど』

『なんだ?改まって』


『悪魔と戦闘することになるかもしれません。』


「は!?」

驚きすぎて声が出てしまった。


『病院は結界に守られてるんだろ!?』

病院に悪魔が来るってことか?

エミヤが悪魔に襲われる危険があるってことか!?

能力者レジティーマの大将だからと信用できると思ったのに。


『勿論です

 外部からの攻撃は平気です』

あ、なんだ。

驚かせるなよ…、思いっきり疑っちまった。


『だったら、何で』


『内部からは別と言うことです』


『どういう意味だ?』

まさかとは思うが、エミヤを疑っているのか?

いや、セツナなら仕方がないだろう。

エミヤの母のせいで、自分の父親が死んだ。

と言うことになっているのだ。

俺は絶対信じないけどな。


『悪魔病。』

『ご存知でしょうか』

やっぱり、やっぱりそうなのか?

セツナがそんな風に思うなんて信じたくない。

…って、俺はいつからセツナを信用するようになった?


『ああ、知ってるぜ

だから、エミヤを殺すってことか?』

俺はつい、キツく言ってしまった。

自分への苛立ちを相手へぶつけるなんて、俺は本当に…子供過ぎる。


『まさか!違います!』


『なんだ、違うのか』

平気なふりをして、心の内で心底安心している。

エミヤの敵が減ったというのも片隅にはあるが、その大半はセツナが味方であってくれたと言うことだ。

会って一年も経っていない奴を信用するなんて。

エミヤのこと言えないな。


『はい。父も否定していたそうですし』

『例え、そうだったとしても

エミヤさんには何ら関係ありません。』


『そんな簡単に割りきれるもんか?』

すまん。セツナ。

疑って掛からなければ、いつか、エミヤを危険にさらしてしまう。

俺の油断が、直接エミヤの危険に関わるのだ。


『生憎、父の記憶はあまり在りません』

『そうでなくとも、敵討ちなんて無意味な事はしません』

『父は亡くなった。その事実は変わらないのですから』


『冷静だな』

全て、正論だ。

たが人間、そんな簡単に割りきれるものなのか?

少なくとも俺なら、割りきれない。

セツナは凄いな。


『そうでなければ、リーダーは務まりません』

『さて、話がズレました』


『すまん』

「ズカズカと聞いて。」

俺は文には書かず一人で呟いた。


セツナは部長より、冷静で正しい。

そういう性格なのだろう。


『いえ。』

『目的は、菫さんの中にいる悪魔を引っ張り出し、倒すことです』


『菫さんの中に、悪魔が?』

悪魔病とは言っていたが、菫さんの中に悪魔が要るのか?

そもそも、本当に悪魔病である確証もあるのか?


『恐らく』

『エミヤさんにも協力を仰ぎます』


『何だと!?』

それこそ、サキア先輩と同じことだ!

それで菫さんの病の原因が別にあって治らなかったら…。


『もちろん、魔除けのためと言う口実で』

『強ち嘘でもありません。』

こいつ…本当に冷静だ。

部長より、人を扱うのが上手いだろう。

部長は優しい。

だが、その優しさは人を扱うとき邪魔になる。

セツナの場合は人の感情を考えた上で扱える。


『俺は何のために?』

そんな指揮官になら、扱われても良いと言う奴も居るだろう。

部長は慕われるだろうが、セツナほど優秀にはならない。

優秀というのは組織にとってどれだけ使えるかということだ。


『万が一の時の護衛です』

『貴方なら、エミヤさんの事を的確に守ってくださるでしょう』


『なるほど』

セツナはよく解ってる。

俺はエミヤを絶対に守る。

ま、命に代えることは出来んがな。

それにちゃんと菫さんもセツナも守る。

自分にそれほどの力があると自惚れはしないが出来る限りの事をするのは当然だろう。


『では、お願いします』


『ああ。』

『エミヤからは俺が言おうか?』


『いえ、持ち掛けたのは私ですから』

『それと他の皆さんには内密に。』

確かに誰かに止められても困るしな。

中学生組のみんなは協力してくれると思うが…。

ま、セツナもハンナやケイに言ってないみたいだし。

指揮官の命令に従オー!


『わかった

何時に行けば良いんだ?』


『そうですね』

『1時頃などいかがですか?』


『別に良いぞ』

若干時間が早い気もしないでもないが、指揮官に従オー!




セツナとの会話も終わったところで現時間は11時15分。

さっさと服を着替えて昼飯食って、学校行って高校生組を見に行こう。

あの優しい菫さんの友達なのだ。

カレン先輩も、きっと優しい人なのだろう。

それなら他の人達も、好い人だと思う。


インスタントラーメンにお湯を入れ、待つこと3分。

麺類は飽きたから、次はコンビニ弁当とかが良いな。

最近はレパートリーが豊富だからなぁ。

いやぁ、結構夢広がるわぁ。

エミヤが帰ってくる前に全制覇するか!


そして、インスタントラーメンを食べる。

このジャンクな味が堪らない。

いつも食べてたら流石に飽きるが、たまに食べれば美味しいと思う。

昨日の焼そばは何で変な味がしたんだろうか…。

あ、心なしか腹痛が…。


「うん。気のせいだ。

 さっさと学校行ってこよ」

腹を少し強めに叩いて紛らわした。

気のせいであって欲しいので、ちゃっちゃと家を出ることにした。

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