表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端のLegitima   作者: 瑞希
『大切な君』
16/100

『報告会』

「まあ、報告会するか」

ハヤテはハンナの様子を見てから、全員に向かって言った。


あの後、エミヤたちはSMSで連絡を取り合った。

報告会もしなければならないらしく、一旦集まることになった。


「最近、何か変わったことはないか?」

「…悪魔とは関係ない気もするけど、

 最近、他クラスの奴らが変。」

ハヤテの定型文のような言葉に

タイガが不機嫌そうな顔をもろに出しながら言った。


「変?」

ユキカが飲み物を飲みながら首をかしげた。


「ちょっと前…。丁度アーチーを倒した前までは

 キツい感じだったんですけど、急に謝られて…」

エミヤは困ったような嬉しいような顔で言った。


以前の他クラスの女子たちは、

何かと言えばエミヤに悪口を言っており、

男子たちも表立っては言わないがエミヤに対してキツい態度を取っていた。

アーチーを倒した後、ほぼ全員に謝られた。


全員同じことを言っており、

悪い夢を見ていて気が滅入っていた。

まるで自分が自分ではないような…と。


「そういえば…

 コールと最初に会ったのも夢でした」

「ああ、だからあの時な…ウ゛ッ」

タイガが何かを言いかけたが、

急にお腹を抱えて痛がりだし言葉が遮られた。

その隣でエミヤはにっこりと怖い笑みを浮かべながら拳を握っていた……。


「…てことはアーチーは

 夢を見せる魔法ルーンが有ったのでしょうか」

セツナは先輩であるタイガが悶えているのを無視しつつ冷静な声で話した。


「ともかく、改善されたのなら良かったわね」

「ま、まあ、そうですね」

エミヤはサキアの微笑みに苦笑いで返した。

でも確かに、他クラスの女子の変貌ぶりに動揺はするが

本当は優しい人だったといことが解ったのは嬉しい。


「でも、なんで他クラスだけなんだろうね」

そのユキカの言葉に全員が首をかしげた。


「エミヤさんの能力レジのせいだったりして」

ケイがすこしおどけた風に言った。


「まさか。しゃべり声だけで

 コールの力を防いでた、とか?」

ユキカも半信半疑に言った。


「まぁ、有り得るだろう。」

ハヤテがそう言うと妙に説得力が生まれ、

全員納得したように頷いた。


「じゃ、後は大人たちに任せるってことで。」

そう言ったのはユキカだ。

能力レジを持つ子供たちは、

幼い頃から深入りはしないように教育を受けている。

ユキカもその一人だ。普段なら面白がって深入りしそうなものだが。


「では、今回の報告はこちらからしておきます」

「ああ、悪いな」

お互いの部活のリーダー同士が一通り話しをすると解散となった。




「この人数は気が引けますね…」

「空いてるし、大丈夫じゃないかな?」

周りの乗客を見て申し訳無さそうに言うセツナに

ナツカが微笑み安心させるように言った。


「小学生がそんなに気を使うな」

ハヤテが欠伸をしながら半分呆れた声で言った。


「あんたはもう少し気を使いなさい」

少しムッとしたセツナの代わりに

サキアがハヤテにデコピンを食らわせた。


「ハヤテざまぁwww」

さっきまで寝ていたはずのユキカが

パッ起きてここぞとばかりにハヤテに指差して笑った。


「ユキカ………?」

自分の兄に冷たい視線を送られたユキカは、

慌てて荷物をまとめ始めた。


「そ、そろそろ、降りなくっちゃ~?」

「…そうだね、僕たちはここで降りるよ」

「あ、私もここで。失礼します」

そう言ってセツナとユキカ、ナツカの三人はバスを降りた。

再びバスが出発したが、さっきまでの騒がしさは少し収まった。


(ハンナちゃん…)

エミヤはそっと席に座っているハンナを見つめた。

さっきまでの会話の中でも、

ずっと目を閉じたまま、寝ているのか

わからないが、さっきの一件から一言も発しない。


「エミヤ、俺らも次降りるぞ」

「あ、うん。」

タイガとエミヤは家一緒なので当然一緒に降りる


「ハンナちゃん。またね」

「あ、はい!」

ハンナはパッと目を開けてエミヤに笑顔を作った。




「あの人、誰だったんだろう

 ハンナちゃん大丈夫かな」

バスを見送ったエミヤは

口にしたくても出来なかった言葉をやっと口にした。


「どうだろうな

 でも、大丈夫だと思うぞ」

「え?どうして?」

タイガはエミヤに視線を合わせず

沈んで行こうとする真っ赤な夕陽を見て呟いた。


「今のアイツにはたくさん味方が居る」

タイガは目を閉じてそう言った。


「なんか、昔からの友達に言うみたいだね」

エミヤは少し目を見開いてから微笑んで言った。


(何となく雰囲気が似てたし、

 通じるものがあるのかな)

エミヤはタイガの知らない一面を見て少し不安だったが

それ以上に二人を始めとする、

みんなが仲良く笑う所を想像して嬉しくなった。


「…友達って。」

「ふふっ。」

エミヤはタイガと目を合わせて笑いあい。

真っ赤な夕陽を見てた。

そんな風に笑うみんなの心の中には

たくさんの思いがあるのだろうと思った。


(それも全部ひっくるめて

 大切な人と笑いあえたら…。)

そんな景色を思い浮かべてエミヤは思いっきり笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ