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自覚。
その日の放課後、
叶はサークルがあったため、
あたしはひとりで帰っていた。
その途中で、
いつもの黒い車を見る。
いつものようにタバコを吸っている彼…
車窓から見える彼の横顔は、
やはり少し寂しそうだった…。
その横顔に、
いつもあたしは胸を締め付けられる…。
痛くて、苦しい気持ちにさせる…
今まで気付かないふりをしてきたけど、
やっぱりこの気持ちは…
恋なんだね…。
あたしは、
彼のことを好きになってしまったんだね…
あ~
それにしても、
何でだろう…
接点とか、話したりとか、そういうの全然ないのに…
なんで、
好きになってしまったんだろう…?
なんで、
彼なんだろう…。
車窓から見える彼がなぜかとても綺麗で、
目をそらせずにいた。
すると、
あたしは彼と目があってしまった。
彼はこっちをじーっと見ると、
少し微笑みながら手を振った。
あぁ~もぉだめだ!!!!
あたし完全にこの人のこと好きだ!
もう、
隠せない…。
あたしは、
どうしようもないくらい、
彼のことが好きだ…。
好きになってしまったんだ…。