恋する乙女。
ジリリリリリリィィイーーーー!!!!!!
「ぅっ…るさぁーーーい!!!」
ガバッ…
おはようございます。
いつも寝起きが悪い[如月 翼]です。
毎日、
目覚ましに怒鳴りつけながら起きるのが日課です。
それしても、
今日はいつもよりやけに眠たい…。
昨日、
眠れなかったのが原因だろう…
なぜかって?
ずっと、
考えていたんだ…
黒い車に乗った、
彼のことを…
どうしてなんだろう…
彼のことが、
気になって仕方がない…。
なんなんだ?
これは…
「あっ!翼ー!おはよ♪」
朝、
虚ろな目で登校すると、
元気よく手を振る叶がいた。
どこからあのエネルギーは出てくるのだろう…
「おはよー…。」
少し元気のないあいさつをすると、
叶は不安そうな顔で、
「どうしたの?」
と聞いてきた。
あたしは、
自分の気持ちが分からなかったため、
叶にどう説明するべきか悩んだ。
「ん~、今はまだ言わないでおく。」
結果、
あたしはまだ話さずにいようと思った。
「そっか…、わかった♪
1人で抱え込まずに、ちゃんと話すんだよ??」
叶…。
本当にいい友達を持った…
ありがとう、叶…☆
このモヤモヤがなんなのかがハッキリとしたら、
ちゃんと話すからね…。
叶との会話の途中、
叶に挨拶をしてきた男子がいた。
「相田~!おはよう!!!」
叶はビクッとすると、
顔が……
ん?
んん???
叶??
なんだか叶の様子がおかしいぞ???
なんで、
そんなに顔が真っ赤なんだ???
んんんん?!
こ…
これはもしや…。
叶、
この人のことが好きなのか?!
彼、[西田 雅希]くんは、
身長があたしと叶よりも低く、
短髪で笑顔がとても可愛らしい人だった。
そっか…
叶、好きな人ができたのか…
あたしは、
なんだ嬉しい気持ちになった。
顔を真っ赤にしながら、
叶はその子に、
「お、おはよう…♪」
っと、
とても可愛らしい笑顔で答えた。
あたしは、
なんだかその光景がとても微笑ましくて、
フッと、笑ってしまった。
すると叶がすべての事柄に察したのか、
「つ、翼ッ!!!な、なに笑ってんのさ!!!」
おーおーw
顔がゆでだこのごとく真っ赤っか(笑)
可愛いなコノヤロウー!
あたしはニヤニヤしながら、
「フフフッ…。叶さん、これはあとで、
じーっくりと事情聴取だな♪」
と言うと、
叶は顔を真っ赤にしながら、
「うっ…。」
と一言言うと口を紡いだ。
そんなやり取りをしている最中だった。
「おっ!はよー!なんの話してんの?」
あたしはビックリとした。
まさか、
こんな風に関わる日が来るとは…
目の前には、
最近どうしようもなくあたしが気になって仕方がない人の姿が…。
「凌介!お前今日は早いんだな(笑)」
そう西田君が言うと、
彼ははにかみながら、
「うっせーわ!笑」
っと西田君を軽く叩いた。
その姿に、
なぜか心臓がとても痛くなった。
そして、
脈打つ速度が早くなった…。
んんんんん?!
なんだなんだ?!
え、
あたしここで死ぬの?!
いやいや、
まだやりたいことたくさんあるし
そもそも、
まだ素敵な恋してないんだけど!!!!
そんなことを考えながら、
あたしは痛む胸を抑えた。
彼と、西田君と叶が仲良く話している姿を見ながら、
あたしはなぜ胸が痛んでいるのかを、
必死で考えていた…。
この痛みは、
何なのだろう…。
うまく息ができなくて、
苦しい…。
あぁ…
あたしは死ぬのだろうか…。
それにしても、
なぜあんなにも彼が
彼が…
輝いて見えるのだろうか…。