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4話 義妹と王都へ。

俺が目覚めて1週間が経った。

体調も前と遜色のない程に回復した。


「ふぅ...。」


今日は快晴で空気も良い。

こういう日は、外に行くに限る。


ということで俺は現在、フィンセント公爵領から片道約30分。

王都までの道のりを馬車に揺れながら移動している。

...セシリアと一緒に。


「なぁ、セシリア。そういえば護衛はどうしたんだ?見当たらないんだが...。」


「...?護衛達は、父様にお兄様がいらっしゃるので必要ありません...と。」


「え?いつのまにそんなの話したの?聞いてませんよ?俺は...。」


「私が昨日のうちに父様に話しておきました。」


「へぇ...良く許してくれたな?」


「まぁ、私、そういうの上手いですから。」


と、ドヤ顔で俺をみるセシリア。

俺たち...一応、公爵家の人間ですよね?大丈夫なんでしょうか?


「お兄様、外を見てください!」


そんなことを考えているとセシリアが普段よりも少し大きめのトーンで外を指差す。

セシリアが指差した先には、黄色の目立つ広大な花畑があった。


「おお...綺麗だな?」


「はい!」


正直言って、俺に景色の良さは分からないが、セシリアが嬉しそうにしているため適当に合わせておく。

「うわぁ...!」と花畑を見ながら、テンションの上がっているセシリア。


花畑よりも、こっちの方が俺には綺麗に思える。

やはり、俺の義妹は国家遺産、いや地球遺産に登録した方が良いな、うん。


「そういえばお兄様...魔法の件で少しわからない点があるのですが...」


「ん?あぁ。」


「魔法はほぼ4属性...水、火、土、陰、陽の5つに分類される。と本には書かれていましたが、お兄様の使っている魔法は何属性に当たるのでしょうか?」


「ああ。あれは...ただの身体強化魔法だよ?」


「身体強化魔法...?ですか?」


「そう。基本、魔法というのは単体属性でしか使い物にならない。これは知ってるよな?」


「はい。」


「それは、魔法を組み合わせると魔法同士が打ち消しあって、魔法の効力を発揮する前に無になるからだ。」


「...はい。」


「でも、その中には魔法同士をほぼ均等な魔法の出力を組み合わせることで、絶大な威力や効力を発揮する魔法もある、という事が最近判明したんだ。」


「そ、そうなんですか...でも、それは魔法の理に反してるのでは?」


「んー、まぁそう言われればそうだな?正直俺も魔法についてはよく分からないんだよな。俺の身体強化魔法は陰と陽魔法を組み合わせただけの簡単な魔法だしな?」


やばい。

正直、俺は魔法の事についてはよくわからない、というか魔法というものは奥が深すぎて、俺の様な人間には計りきれない。


身体強化魔法なんて、ゲームエピソードの中で主人公達が陰魔法やら何やらを組み合わせた魔法なんて言っていたから、魔法の研究と合わせて試しに発明したものにしか過ぎないのだ。


「そ、そうなんですか...私にも、お兄様の魔法は使えるでしょうか?」


「コツさえ掴めればな?」


「...その言い方は、出来ない時の言い方じゃないですか?!」


膨れ顔でセシリアがジト目を向けてくるが、俺は景色を見るフリをしてその回答を放棄する。


やめてくれセシリア、ドMな俺にその顔は刺さ

ってしまうんだ....。


「お兄様...酷いです...。」


「いや...あぁ...街で何か買ってやるから許してくれ。」


「...許してあげます。」


「...ありがとうございます?」


----------------------


「おーい。着いたぞ、セシリア」


「ハッ?!お、お兄様...。す、すみません。私途中で眠ってしまって...!」


「大丈夫だよ。俺も途中で寝ちゃってたから。」


まぁ、嘘だか??

普通に寝顔のセシリアと外の景色を往復していたんですけど??


言ったら、変態呼ばわりされて口を聞いてもらえなくなる可能性があるため、あえて口には出さず、良いお兄様を演じる。

完璧だぞ、俺。


まだ目をパチパチしながら瞬きをしているセシリアに、俺は馬車から降りて手を差し出す。


「うし、行くか。」


「は、はい!」


セシリアの手を引いて、馬車から降りると、目の前には洋風の建物がズラっと並んでおり、街行く人々の中には、違う人種の人々が流れる様に歩いていた。


「やっぱり、王都は活気があるな?」


「そうですね。最近は、近隣都市との交流も盛んな様ですし。」


「へぇ、そうなのか。」


「それより、お兄様!早く行きましょう!」


「ん?あぁ。」


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