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6—9


「またこの空を見るとは思わなかった」


 椿芽(つばめ)が目を開けると青空が見え、顔を右に傾けると琥博(こはく)と目が合った。


「……おはよう」


「……………おはよう」


 何故か気まずそうに挨拶を交わした。


「まだ生きてるんだ」


 椿芽が左に顔を向けると手のひらを空に向けて伸ばしている沙智(さち)がいた。


「……私たちは、どうなるんだろう」



「お前らはこれから(せい)たちと一緒に行くんだよ!」


 晴が椿芽たちの顔を覗き込んできた。逆光で顔が見えないけど。


「……でも私たちは先輩たちを……」


「ンなの関係あるかっ! ちょっとこっち来い!」


 3人はすぐに立ち上がり晴の前で整列する。


「悪い事したと思ってんなら、尚のこと一緒に来るんだ! 風香(ふうか)の為にも」


「私たち、風香に合わせる顔がないです」


「風香ちゃんはどうしてますか?」


 俯きながら喋る椿芽に恐る恐る質問する琥博。


「んー……風香はなー」


 晴はどこか言いづらそうに頭を掻きながら視線を彷徨わせる。


「っ……なにか、あったんですか?」


 すると背後から人影が現れ、椿芽、琥博、沙智の肩をトントンと叩いた。


 それに驚いた3人は振り返ると、満面の笑みを浮かべた風香がそこに居た。


「今回は私の気配、わからなかったでしょー?」


「「「風香!!!」」」


「えっ!? なにっ??」


 3人は一斉に風香を抱きしめる。そして何を言うでもなく、3人とも嗚咽混(おえつま)じりに泣きじゃくった。


 風香は驚きと気恥ずかしさで慌ててたが、次第に優しく3人の頭を撫で始めて……風香も涙を流した。


 何度も何度も「ごめんなさい」を繰り返し、4人が泣き止んだのは莉衣奈(りいな)が戻って来てからだった。


 どうやらずっと、うさぎを探していたらしい。


「最初は遠目に見えたんだけど、その後逃げられちゃって。妖精でこっちの様子を見られてるだろうから難しくて」


「ほんと、あの馬鹿は集団行動が出来ないな……ほっとくって言う選択肢はリーダーにはないんだろ?」


 話を聞いていた真希(まき)がぼやくと、莉衣奈は苦笑しながら頷く。


「……わかった。私とセミノで捜索係を引き受けるよ」


「え!? あーしですか??」


 近くに吹雪(ふぶき)らと居たセミノは驚く。


「ああ、お前の虫が必要なんだ」


「それって、あーしじゃなくて虫だけ必要って事ですよねー?」


「いやいや、お前も必要だぞ、居ないと虫が呼べない」


「だから虫だけじゃないですかー?!」


「2人だけで大丈夫? 私も行くよ」


「いや十分足りてるからリーダーたちは他のメンバー探しを優先して欲しい」


「あーしは納得してないんですけどー!!」


「よしよし分かった。向こうで私と話し合いをしようじゃないか」


 にこやかに真希はセミノの肩に手を置くと、人気のない場所へと連れて行った。




 その後、全員が集まって今後の話し合いを始めた。


 その前にと、椿芽、琥博、沙智が前に立ち深々と頭を下げて謝罪をする。


 エルと柑奈(かんな)が最初軽く文句を言ったがすぐさま受け入れるのだった。


「それと、もう一つ。ここに眠っている凛々(りり)何ですけど、彼女の魂が別の場所に封印されているので、それを取り戻すまでは先輩たちと行動出来ません」


 椿芽は重ねて謝罪する。莉衣奈は挙手をして質問する。


「それって、場所わかってるの?」


「大体の方角ですけど、凛々がアクマの封印を解いた場所ですので……辿り着くのは迷路みたいなものなので、大変ではありますが」


「だったら、私が付いてってもいい?」


「え!? 嬉しいですけど、我々3人だけでと思っていたので…」


 椿芽の言葉に風香が不満そうに言う。


「私、仲間外れなの?」


「そうじゃないんだけど……自分たちのやらかしは自分たちで解決しようと……」


 琥博が言葉に迷っていると、莉衣奈が手を叩いて言う。


「水臭い事言わないでよ! じゃあ、監視役として付いてくよマホちゃんと一緒に」


「ほへ?」


 まさかの指名にマホは間抜けな返事をした。


「手伝って貰えないかな?」


「んー……りょーかい!」


「監視役、とは?」


 琥博が莉衣奈に質問すると、笑って答えた。


「終わった後にちゃんと合流するか、ね。メンバー全員で帰るのが目的だから」


「はあ……」


「ちなみに言っとくけど、3人のアクマとの契約は解除しておいたからね?」


 風香が挙手をして発言する。刀をチャキンと抜き差ししながら。


 どうやら、3人を斬り伏せたのは繋がりを断ち切る為だったという。上手く行くかは賭けだったそうだが。


 先程背後から近付いて気付かれなかった事で確認したようだ。


 嫌でも光の力が近付くと分かってしまうのは、アクマと繋がっていたから。それを感じないのは断ち切れたから。


 3人は苦笑しながらも、どこか安堵していた。



 凛々の魂を取り戻すチームは。莉衣奈とマホ、そして7期生全員。風香と椿芽と琥博に沙智の6人。


 うさぎちゃん捜索チームは。真希とセミノの2人。


 残りは二手に分かれるチーム。


 イズナ、ネコネと潤葉(うるは)にミカ、吹雪と陽子(ようこ)の6人。


 柑奈、(ひびき)とリアに晴、羽海(うみ)とまもりにエルの7人。


 計4チームに振り分けた。


 出発は明日。まずはジャングルを越える事を目指す。






「チーム分けって、私好きなんだよねー」


「わかるッス! 小学校の時とか席替えして班を変えてたのが好きだったッスよ」


 寝そべりながら柑奈が言うと晴が同意する。


「クラス替えとかワクワクしてたッスもん」


 晴が寝返りをしながら続けると、柑奈が晴の方に身体を向ける。


「そうそう、でも自分では決められないから勝手に決めて欲しいんだよね」


「いつものメンバーで固まるのも楽しいッスけど、他の人とも絡んでみたいって思った時、先生とかくじ引きでランダムに決めるのとか良かったッスよ」


「ちなみに、このグループ分けって莉衣奈ちゃんが決めてるのかな?」


「イズナと話して決めてるって言ってたよ」


「ひびきちゃん! 起きてたの?」


「アンタたちがうるさくて眠れないの! 朝早いんだからさっさと寝なさい」


「「はーい」」



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