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6—6


「パワーあっても当らなきゃ意味ないですよーっと」


 エルの右ストレートを(かわ)し追撃の左足の蹴りをも琥博(こはく)は躱してみせた。


「わっ痛っ」


 躱して着地をした場所が凍っていた為琥博は転ぶ。そこを狙ってトラに変身した陽子(ようこ)が突進する。


 パシャッ


「濡れた足で氷の上を走らない方が良いですよ?」


「!?」


 陽子の前足が氷に貼り付いて倒れた。勢い余って体勢が悪く痛める。


「塩ってこういう使い方もあるんですねー。この世界の塩ですけど」


「ファイヤボール!!」


 ジュアァァァァァァァアアア


 マホから放たれた炎の塊が氷に命中して溶かされて行く。


「どこ狙ってんですかー?」


 放たれた瞬間には移動していた琥博は挑発するように言った。


「そしてカブトムシにはこの香水を」


 背後から奇襲を仕掛けたセミノのパートナー、カブトムシのカブくんに香水を吹きかける。


 するとカブくんは苦しみ暴れながらその場から退避して行った。


「カブくん!?」


「さーて、どうします? 先輩方」





柑奈(かんな)そっち行った!」


「えっどこどこ??」


「右後ろ!」


「ぎゃん?!」


 (ひびき)の指示で沙智(さち)の攻撃を前方にダイブする事で躱し、柑奈は顔面から倒れ込む。


 沙智は響のナイフをアクロバティックな動きで躱し距離を取ると再びジグザグに突撃して来た。


 素早い動きで響に向かって行き大きな影が襲う。


 響はそれをリアのバリアーを足場にした大ジャンプで躱し、沙智の背後を取るとナイフを横一閃に斬るが空振りに終わる。


 しゃがみからの後ろ蹴りをリアのバリアーが防ぎ響は後方に跳び距離を取る。


「久々に楽しいですね、せんぱいたち」


 沙智は笑いながら言うと、眼光が鋭くなった。


「これでもくらえ! 大竜巻き!!」


 柑奈がカードを掲げる。


「え…?」


 その場に居た全員が一斉に柑奈を見る。


 それに気付いた柑奈も、頭に″?″を浮かべた。


 効果は発動し、その場に居る全員が巻き込まれた。


「嫌あぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁああァアアアアアッッ!!!」


「アホおおぉおおぉおおおおおぉおおぉおおおおぉぉぉぉぉッッ」


 誰の悲鳴か分からないまま竜巻きは大きくなり


「気が済みましたかね…? 先輩方のデータはここに……ん?」


 琥博側のメンバーも全員巻き込んだ。


「はぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁあッッ?????」


 竜巻きは十数秒の後に消え柑奈たちは上空高くに投げ出された。


「高い所ダメなんですぅううううううぅぅぅっっ」


 そう叫んだのは沙智で大泣きしながら落下して行く。


 そして各々、華麗に着地し無様に地面に叩きつけられた。


「…………きゅぅ」


 沙智は目を回して気絶し、琥博は柑奈のメチャクチャなカード効果に翻弄され追い詰められていくのだった。




「こっちもそろそろ決着をつけるかい?」


「降参するならご自由に」


 イズナと椿芽(つばめ)は互いに呼吸を整えながら会話する。


 椿芽は翼を羽ばたかせて飛ぼうとした瞬間


「———ッッが」


 後ろからレーザーを撃ち込まれ胸部を貫通した。


 それは対面に居たイズナの肩にも命中する。


 何かが椿芽の背後に現れた。


 遠目だと黒くてわからない。


 ただそれ程大きな存在では無い。


 だがもの凄い恐怖を感じる。


 得体の知れないモノへの恐怖。


「光ノモノハ始末シタト聞イタハズダガ?」


 ぞくっとする声にイズナの全身から汗が出る。


 椿芽は止まらぬ血を苦悶の表情で抑えながら振り返る。


「………も…しわけ……ござっ」


「言イ訳ハイラヌ。(ホロ)ビヨ」


 ソレは人差し指を椿芽に向けて、再びレーザーが放たれた。


 だがそれは、ミカが咄嗟にイズナと椿芽を能力で殴り飛ばす事で回避させる。


 イズナは肩を抑えながら転がり椿芽は木に叩きつけられた。


「やり過ぎたかな」


「レーザーよりはマシなんじゃない?」


 ミカの質問にネコネが答える。


「こっち睨んでるよっ?」


 潤葉(うるは)が悲鳴のような声で言う。



「もしかしなくても、あいつがアクマか?」


 真希(まき)はイズナたちとは少し離れた場所から観察する。


「風香はどうした? 入れ違いか…?」


 先程アクマの元へ向かった風香。やられたとは考えたくは無い。


 一応、莉衣奈(りいな)をサポートに付けたから……。


「まさか、迷子になってないだろうな……?」


 真希はひとり、呟いた。




「言われた廃墟はこっちですかね」


「いや、あっちだと思う」


 廃墟の場所はログハウスから北東。2人が目指しているのは北西だった。






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