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沙智に案内されて辿り着いたのは、ジャングルのような場所だった。
20人はぞろぞろと草木を掻き分けながら進んで行く。
「4人一緒に暮らしてるの?」
「んーまぁ、そうだね」
風香が沙智の隣に並んで近況報告をしながら歩く。
時刻はすっかり日も落ちて夜であるが月明かりと、沙智が迷わず進んで行くので迷わずはぐれず目的の場所へ到着した。
「ここです」
沙智が指差したのは二階建てのログハウス。
扉を開けると、鷹宮椿芽と須藤琥博が笑顔で出迎える。
「さっちゃんお帰りーってフーカちゃん!?」
琥博が驚くと椿芽も驚いた表情で風香の後ろに居る莉衣奈たちに気が付いた。
「ちょっと待って! 先輩たちがたくさん居るじゃないの!」
「そーなんだよ! そして何とー真希せんぱいも一緒なのですっやったー」
「気付いてたんだ?」
沙智が振り返って真希に視線を送ると、真希は返事をした。
沙智は小走りで真希に近付き腕に抱き付く。
「そりゃ気付きますよ! 何てったってわたしの一番のアイドルなんですもん」
初対面の頃はあたふたして縮こまっていた印象だが、1週間後くらいには好き好きアピールが始まってて莉衣奈たちは驚いた。
そんな2人のやり取りを無視して他のメンバーはログハウスの中へと入る。
「広ーい!」
「走り回るんじゃないよ柑奈」
「そんな子供みたいな事しないよっ」
中に入り駆け出すや否や柑奈は響に注意される。
「今同じ事しようとしてたよね晴ちゃん先輩?」
「ししてねーよネコネっつーかいつの間に頭に乗ってんだよ!?」
「えー気付いて無かったの? 船降りてからだよ??」
猫はぴょんと床に飛び降りるとクッションの上で丸くなった。
「全然気づかなかった……」
「晴先輩は暗い場所苦手ですもんねーアタシの袖を掴む程度には」
羽海がからかうように笑いながら晴の横を通り過ぎて行く。
「先輩たちが来ると一気に賑やかになるねー」
琥博が椿芽に言うと椿芽は微笑んで返した。
「凛々はどこに?」
そこへ風香が来て2人に質問する。すると椿芽が答えた。
「ちょっとお使いに行ってて、数日は戻らないんだ」
「え、一人で大丈夫かな……私が手伝いに行こうか?」
「大丈夫だって、風香が行った所で迷子になるぞ? ここ広いから迷いやすいし」
その日の晩は全員リビングで雑魚寝し、翌朝。
「おおー! 目玉焼きだーご飯だー」
晴が目を輝かせて喜ぶ。
「人数分の食器とか、よくあったね」
莉衣奈は朝食を用意している琥博に言うと
「昨晩の内に真希先輩が作ってくれたんですよ。素材さえあればある程度なモノは作れるって凄いですよね」
その後皆んなで手分けして朝食の準備を整えると、全員で手を合わせて食べ始めた。そこにうさぎの姿は無かった。
イズナがそれに気付くが、誰も見てないとの事だった。
「食後にオレンジジュースはいかがですか?」
椿芽がお盆にのせて運んで来る。風香が率先して手伝っていた。
「先輩たちに是非見て欲しいものがあるんですよ! 来てくれませんか?」
食後のくつろぎタイムに入っていた面々に琥博が手を叩いて提案する。
それは外にあると言う事で、それぞれゆったりとした動きで移動を始めた。
「風香はちょっと片付けるの手伝ってくれないか?」
「うん、いいよ」
椿芽と風香はキッチンへ移動する。
「真希せんぱーい! 2階の方で見て欲しいのがあるんですよ」
「それ昨日言えよ」
「昨日は嬉しすぎて忘れちゃってたんですよ」
「あー……琥博の方はいいのか?」
「そんな時間かかりませんって」
「凄い、畑があるよ」
「ここでは自給自足ですからねー畑仕事でも狩りでもやりますよー」
ログハウスの裏手へと向かうと開けた空間があり、そこに何やらその場に似つかわしくない機械が置かれていた。
「なんじゃこりゃ」
柑奈は呟くと、琥博は機械の側まで行き
「これはですね、アクマを復活させるエネルギーを集める装置なんですよー」
「あくま…?」
不穏な空気を感じ、ざわつき始めたその時
ガシャンッッ
「え?!」
半透明のドーム型の何かに莉衣奈たちは閉じ込められた。
「どうゆう事だよ琥博ッッ」
エルが叫ぶと琥博は笑って
「皆さんのエネルギー……貰いますね」




