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5—12


「……………」


「気は済んだかい?」


「………何の事ですか?」


「とぼけるなよ、お仲間の事が気になって見てたんだろ?」


「…………違います…」


 無人島のはるか上空、伝説と呼ばれている鳥と対峙する少女たちを見下ろす少女がひとり。


 その背後から近づいて来たのは、サングラスをかけた男。


「お前ならあの鳥、一撃で倒せるよな」


「……ご冗談を、闇のオーラがある状態で当てるなんて至難の———」


「なんだ、しっかり見てるじゃないか。隠す必要はないだろ? もしかしたら、自分もあの中に入って戦っていたかもしれないんだから……妄想するくらいは許すぞ」


「…………」


「ハハッそう睨むなよ。()()()()にはある程度の自由を与えているじゃないか」


 男は愉快そうに笑う。少女は感情を顔に出さないよう努め無表情になる。


「目的が変わった元お仲間に何か助言をしたいんじゃないのかな?」


「目的が変わった…?」


「当初彼女らは、島から出る事を第一に行動していた。その為にはぐれた仲間を探して。障害物の渦潮に加え、鳥どもが邪魔をするってんで排除する事になった。しかしその鳥が排除された今、あのデカブツと戦う意味はなんだろうな?」


「あの鳥にも邪魔されるからじゃ…?」


「いや? あのデカブツは元々ヒト以外のモノを主食にしている。まあ空腹で近くに居れば食うだろうが、基本的にそれはない。今でこそ怒りで攻撃してるがな」


 少女は眼下の島に視線を落とす。オーラの消えた鳥に総攻撃を仕掛けている少女たちが見えた。


 倒す意味があるのかどうかなんて、あそこに居る彼女たちには分からない。


 突然現れたデカい鳥。恐怖で足がすくむどころか立ち向かって行く勇敢さ。


 しかし、戦わずして島を出る事なんか可能なのだろうか。肝心の船が無いのだから。


 意味はきっと、そこにある。


「最後まで見て行くかい?」


 男の質問に少女は首を横に振る。


 踵を返すと二人は姿を消すのだった。


「…………」




「″サンダーボルト″は止めなさいよ」


「だってだって飛行タイプに効果抜群だと思ったんだもん!!」


 黒焦げになった(ひびき)柑奈(かんな)が言い争いをしている。


 トドメとばかりに柑奈が発動させたカード”サンダーボルト”は真上に落ちて来て、そばに居た響と莉衣奈(りいな)を巻き込んだ。


 咄嗟にリアが張ったバリアー数枚がクッションになり直撃は免れはしたが多少の電撃と落雷の衝撃で舞った黒い土を浴びたせいで悲惨な事になったのである。



 肝心の伝説の鳥はというと、気絶したのか山の中にあるマグマへと落ちて行った。


「あの玉が効いたな」


 真希(まき)が満足気に言うと(せい)はうんざりした顔で


「あの不気味なの何だったの」


「笑いキノコの成分を最大限に生かした爆弾。鳥だって笑うさ」



 キィィイイイイィイイィイイイイピィィィイイィィィピキピキイィイィィイィィィキィィイイイイィイイィイイイイピィィィイイィィィ



 晴は再びその光景を思い出す。


 笑い転げるように伝説の鳥はその場で暴れ回った隙をミカに突かれ少し吹っ飛んだタイミングで落雷があり、それは見事に当たらなかった。


 まもりたち地上組とマホやエルの空中組の総攻撃によって、仰向けに倒れた行った。



「アレじゃちゃんと倒せたかわからないですよねー」


「トドメを刺す必要は無いですよ。早く羽海(うみ)先輩を探しましょうよ」


 山頂を眺めてぼいたセミノに風香(ふうか)が答える。


 その後、地下へ避難したメンバーとも合流し改めて未だ見つかっていない羽海の捜索に当たるのだった。



「島の半分以上がこんな有様なのに、見つからないなんて事ある?」


 響の発言にメンバーは頭を悩ませる。


 広範囲に戦いが行われたのだから、気付いていないハズがない。


「ぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「どっかの地下に避難してんじゃないの?」


「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」


「他にもあるのかなぁ? ねぇうさぎ」


「あれ以外知りませんよネコネ先輩」


「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ」


「さっきからだーれが叫んでんだぁ?」


 イズナが空を見上げると


「! 誰か降ってくる!!?」


 イズナの叫び声に全員が上を見る。



 空から、羽海が降って来ていた。



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