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5—9


「ほぇ〜こんな地下があったんだねぇ」


「………ネコネ先輩、よく見つけましたね」


「うさぎは匂いで分かるからねー」


「……わたしは別に兎にはなりませんよ?」


 獣の臭いだと思ったのだろうか、ネコネはそれが何故だか可笑しくて声を抑えながら笑った。


 現在地上では、マホたちが伝説の鳥と対峙してる最中で、うさぎが地下空洞に居るのをネコネは見つけたのだ。


 山の洞窟には入らず横の道へと進むと意味深に切れ目の入った地面があり、そこを持ち上げると地下への階段とご対面という訳である。


 草や花で簡単には見つけられず、注意深く観察しないと切れ目も気付かないだろう。


「ここで何してんの?」


 ネコネの質問に対してうさぎは小さく溜息をつくとぽつりと呟いた。


「避難してるに決まってるじゃないですか」


 地下空間ではあるが、うさぎの周囲は明るい。それは側にいる妖精たちの力なのだろう。


 うさぎは分かるでしょと言わんばかりに上を指差した。


「島が崩壊したら、ここも崩れるんじゃ…?」


「よく周りを見てください、人工的に作られた場所で頑丈な造り。もしもの時用に存在している避難場所ですヨ」


 うさぎはどこから用意したのか、木の椅子にクッションまでありそこに腰を下ろしてくつろいでいる。


 暇つぶしのように外の景色を妖精モニターで眺めていた。


「他の皆んなも呼んでこようかな」


 ネコネが何となく呟いた言葉に、うさぎは嫌そうな顔で振り返る。


「止めてくださいよ、そんなに広くないんですから」


「ふーん……ボクにも外の映像見せてくれる?」


 うさぎは無言で一つのモニターを妖精にネコネの所まで運ばせた。


「あのデッカい鳥の映像はどーやって見るの?」


 質問すると、妖精が画面をスライドさせて教えてくれた。


 ネコネは妖精にお礼を言うと伝説の鳥に1番近くて下から見ている映像で手を止める。


 燃えている身体に黒いオーラでよく見えない。その時突風か何かでオーラが揺らめいて一瞬だけお腹が見えた。


「切り傷…? いやもう一回…あ」


 もう少し近づこうとしたら映像が切れた。


 その事をうさぎに伝えたら


「あー近づき過ぎて消滅したみたいです」


「ッごめん」


「謝る必要ないです、アレにだいぶ消滅させられてるんで」


 特に興味ないといった風にうさぎは淡々と言った。




「おーらおらおらおらおらぁあああああああああああああああああっっ!!!」


 ミカが地上から伝説の鳥に向かって攻撃を繰り返している。命中しているのに、当たっている感じがしないのはびくともしていないからだろう。


 上空から地上から、方向を変えながら攻撃しても効果が無く本当にお手上げ状態だ。


 その時、山の方の上空に影が見えた。


 白鳥の姿の(せい)


「本当にイケるんだな?」


「———はい、今の自分ならできます」


 晴の背中に乗っているのは、風香(ふうか)だった。


 風香は鳥の真上に来ると、そこから風香が飛び降りた。


「近付いちゃダメッッ」


 それを見ていた莉衣奈(りいな)達から悲鳴のような声が出る。あらゆるモノを消し去っているのを見ているからだ。


「!」


 一直線に風香が飛び降りて行くと、動いたのは伝説の鳥の方だった。


 身体を捻り風香の攻撃をかわそうとしたのだ。


 風香も身体を捻りすれ違いざまに背中を斬りつける。


 キィィイイイイィイイィイイイイィイイィイイィィイィィィィイイィイイィィイィィィィイイィイ



 初めて叫び声をあげた。


 風香は見事な着地を見せると、すぐそこに居たリアに向かって叫ぶ。


「バリアで足場を作ってください! もう一度跳びます!」


「う、うん」


 風香は白く輝く刀を鞘に収めて抜刀の構えを取る。


 深く息を吸って吐くと、その姿勢のまま




「一歩、二歩……三歩!」




 ダンッとバリアーの足場を上手く渡り鳥の真下へ跳び上がった。


 身体に回転を加え



 ギィイイイイィイイィイイィィイィィィィイイィイイィィイィィィイィィイィィィィイイィイ



 黒いオーラごと腹を掻っ捌いた。


 伝説の鳥は苦しみながらヨロヨロと山の方へと飛んで行くのだった。




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