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5—7


 巨大鳥に攫われた陽子(ようこ)を追って莉衣奈(りいな)とリアとミカ、吹雪(ふぶき)とまもりは、山の内部から頂上を目指した。


 汗だくになりながらも登った先に居たのは、巨大鳥よりも大きく、両翼を広げて20メートルはあるんじゃないかと思う程大きく威圧感が凄い。伝説の鳥と呼ばれる存在だった。


 ただ目的は陽子奪還なので、なるべく無視して陽子を探し出したいところ。


 物音を立てないよう注意して手分けして探し始めると壁の穴から崖を見た吹雪が巣を発見した。


 崖の途中に大きな鳥の巣があり、そこには4羽のヒナ達が餌を求めて口を開けている。


 そこに陽子を咥えた親鳥が帰って来た。


 下に降ろすでもなくそのまま口移しの様に顔を近付けて


 巣全体が凍り付いた。


 辺り全体に猛烈な吹雪が起こり、莉衣奈はそれが吹雪(ふぶき)が起こしているモノだとすぐにわかった。


「このまま黙って見てるくらいなら、ヨウちゃんを氷漬けにしてやるんだからッ……!」


「吹雪ちゃん……」


 実際、これしか巨大鳥を止める手立ては見つからない。しかし———


 パリン パリィン


 ものの数秒で凍り付いた巨大鳥たちは氷を砕いて復活した。


 ピィィィイイィィィィイイィイィイイィイィイイィイィイイィイィイイィイィイイィイィイイィイイイイイイィィ


 親鳥は勿論、他のお仲間も大きく鳴きながら翼をばたつかせ、こちら側に向かって来る!


 あっという間に莉衣奈たちの頭上まで到達すると、急降下で突進して来た。


 ミカがいくつもの攻撃を繰り出したが、全てかわされ、まもりが盾を構えて立ち向かうも盾ごと吹き飛ばされた。


 1羽でも厳しいのに、2羽を相手にするのは無謀に等しい。


 陽子を咥えた親鳥はまだ巣に居るようで、こちらを睨み付けはしたが氷漬けで少し弱ったヒナを庇っているのかもしれない。


「わぁっ!?」


 マホは箒で飛び回り、巨大鳥の攻撃を避け続けている。恐らく、スピードだけならマホが上なのだろう。


 吹雪は再び氷漬けにしようとするが、先程より上手く行かず、それどころか翼を大きく羽ばたかせて冷気を送り返して来ているではないか。


 その間、陽子はヒナの足元で横たわっていて、それを見た吹雪は身を乗り出して巣へ飛び降りようとしたその時。


「身体ツルツルくん!!」


 少し離れた上空から声が聞こえて見上げると


 柑奈(かんな)が光輝くカードを掲げていた。


「フブキちゃんお願い!」


 莉衣奈と同じく柑奈を見上げていた吹雪は何事かと再び陽子に視線を戻すと、咥えようと何度もクチバシを使う鳥たちが陽子が滑って咥えられなくなっていた。


 ツツこうとしても滑り足で抑えようとしても滑り、次第に身体は巣から落ちそうになって


「! そうか」


 吹雪は氷の滑り台を陽子の行く先に急いで作った。


 陽子は猛スピードで滑り台を下って行くが、滑り台が作れる範囲は限られており、吹雪自身が見えない場所は作れず陽子は空中に投げ出された。


 巨大鳥はそれ目掛けて飛び立とうとして


「行かせないよ」


 エルが鳥の脳天にオーラを纏った拳を叩きつけた。


 ズンッッ


 衝撃で頭を巣に叩きつけられ、その結果巣が壊れてヒナたち諸共落下して行った。


「エルちゃんカッけぇぇぇええぇえ!!」


「はいはい、先程全員に忘れ去られたエルですよー?」


 大喜びの柑奈に対し不満げにエルは答える。


「わ、忘れてないよー? 声かけてなかっただけでぇ……」


「ほぉ? ボクが部屋の隅で読書しているのに気付いていて置いて行ったって事ですか…?」


「うぐっ……ごめんなさい忘れてました!」


 そんなやり取りをしながら柑奈とエルは莉衣奈たちの元へとやって来た。


「え、いやいやいやヨウちゃんは!?」


 吹雪は慌てた様子で陽子が滑ってった方向をチラチラ見ながら柑奈とエルに問う。


「大丈夫大丈夫! 今頃カブトムシがキャッチしてるから」


「カブトムシぃぃい!?」


 吹雪は今までに出した事のない声で叫んだ。


「そろそろヘイト取り続けるのヤバいんですけどーーーー!!」


 マホの声で振り向くと巨大鳥がこちらに向かって来ていた。


 するとエルは莉衣奈の前に立つと


「みんな下向いて目を閉じてくださいっ」


 マホはそのまま猛スピードで飛び去って行き、残った莉衣奈たちは咄嗟に従った。


 エルは野球ボールサイズの玉を握ると巨大鳥に投げ付ける。



「くらえっ」


「攻撃なら避けられますよ?」


 エルが投げた玉は案の定避けられらが、


 パァンッッ


 何かの破裂音が聴こえて少しの間、エルの顔を上げてとの声に従って目を開けて目の前を見ると、巨大鳥がのたうちまわっていた。


「どーなってるの…?」


「当てる必要はないです。効果範囲に居てくれさえすれば」



 キィィイイイイィイイィイイイイィイイィイィイイィイイィィイィィィ


 それまで大人しくしていた伝説の鳥が鳴き声を上げながら羽ばたいて、さこでのたうち回っている巨大鳥を躊躇いなく食べた。


 あまりの衝撃に莉衣奈たちは言葉が出せず、身体が思うように動かなかった



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