4—14 チームBその6
「通行料金10万!? 商品の値上げってっっそんな事しませんヨ!」
うさぎは盛大に驚いた。
特に気にした様子もなくセミノは続ける。
「数日前に町長さんがここに来ているハズなんですけど、何か知りません?」
「……ここには来てないし会ってもいない」
「うさぎちゃんは、この街の会議とかにも参加しているそうだけど、本当…?」
「……たまーに、ですヨ」
「莉衣奈ちゃん、やっちゃう…?」
柑奈がポケットに手を突っ込んだ所で莉衣奈が待ったを掛ける。
「つまり、今回の件には一切関与していないと…?」
「はい!」
「ドロー! 今回は1発! 白状しろ!」
莉衣奈が静止の手を下ろすと柑奈はカードをドローした。
「ぅ…ぁ…」
「もう一度聞くね、一切関与してない?」
「自分の得にもならない事をする訳ない! 街を守る代わりに何割か寄越せとは言いました。外壁も建ててやったんだし……」
「町長さんが来たとかについては?」
「本当に会ってません」
「町長も行方不明……この街って他に発言力ある人居るかな?」
莉衣奈の質問にうさぎは首を横に振る。見た事がないと。
正直、街の事に部外者が首を突っ込むのもどうかと思うのだが。セミノがお世話になってるし、良い人ばかりだから見捨てたくは無いそうだ。
嘘が付けないようにしているこの状況で、これ以上の情報が出てこないのであれば別の方法を模索するしかない。
「ところで、セミノちゃんは何で私たちを落としたのかな…?」
「ホントに身に覚えがないんですが…別人と間違えていたり…?」
「顔認証も出来ていたし、本人じゃないとかってあり得るかな? 姿も声も本人だと思う」
莉衣奈はうさぎにこのビルの顔認証で入れる人を確認した。自分とセミノだけらしい。
「だったらもう、あーしに変装した別人としか…」
「そんなそっくりさんじゃロックは解除されないゾ」
でもと、うさぎは一区切りして、それしかない! と叫ぶのだった。
自分に罪を着せる為に偽物が悪さをしている、そう言う事だと。
「絶対犯人見つけて後悔させてやるゾ!」
うさぎは部屋に手のひらサイズの妖精さん百体を呼び出し、指示を聞いた妖精さんたちは小窓から飛び立って行った。
「ん?」
すると早速何かを発見したのか、小型のモニターに映像が出る。
どうやら妖精さんの視点らしい。
「いい加減出て来い! 極悪人がぁっ!!」
「なっナニ!?」
ビルの入口付近で、街の住人が集まって抗議をしていた。
「何でうさぎが文句言われなきゃなんないんだ!」
苛立たしげに舌打ちしながらブツブツ呟く。
「私たちも外に出よう、エレベーターは壊れてるから空からになるけど…」
莉衣奈の意見に周りは賛同する。
うさぎはココにいる方が安全だと、残ることに。
二重扉を抜けて外に出ると、外壁の時と同じくエルと巨大虫で降りた。
広い街の中を闇雲に探すのは骨が折れる。
二人一組になって偽物を捜索する事にした莉衣奈たちはジャンケンでチーム分けした。
勝った人が一人を指名、それを繰り返した結果。
「私とセミノちゃん。響ちゃんと風香ちゃん。柑奈ちゃんとリアちゃん。羽海ちゃんとエルちゃん。の、4チームね……偽物が現れた時の確認はさっき説明した通りにお願いね」
「あそこでチョキを出したあーしグッジョブ! 今日メチャメチャついてる!」
セミノは小さく何度もガッツポーズをする。
「じ、自分なんかで良いんですかっ響先輩!?」
「もちろん、風香は嫌だった?」
「と、とんでもないです! 光栄です!」
「響先輩とじゃなくてよかったんですか? まあ、向こうが先に指名してたんですけど」
「別にいつも一緒ってわけじゃないから、一緒にがんばろーね、りあちゃん!」
「……とにかく、私から離れないでくださいね、迷子になりますから」
「そんな子供じゃないよ!?」
「アタシと組むからにはサボらせないからな、エル?」
「べつにサボったりなんか……」
「ま、そう膨れっ面するんじゃないよ。お前は真面目にやるタイプだって知ってるからさ。たまーにサボるくらいだもんな」
4組はそれぞれの街区に進んで行く。
町長と偽物を探して———




