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4—13 チームBその5


 突然床が無くなって落下していく莉衣奈(りいな)たち。


 暗闇で何も見えず、どこまで落ちるのかがわからない。


「やぁああああああああああああああああああああああぁぁぁああああああああああああ暗いのが一番嫌だぁああああああああああああ」


 柑奈(かんな)が泣き喚きながらバタバタと手足を動かす。


「痛っ暴れんなこらー」


 柑奈の足元に居た(ひびき)が顔面蹴られて文句を言う。暗くて見えないが、叫び声で柑奈だとわかった。


「アタシが船になって皆んなを受け止めるよ!」


 そんなスペースはあるのかとか分からないので皆はそれに同意する。


 数秒後、落下は終わり莉衣奈たちは船の甲板に落下した。


 綺麗に着地したのは、|風香と翼で落下速度を落としていたエルだけで、他の4人は顔面か背中で着地し、各々潰れたような声を出した。


 しかし明かりが無いので、無様に着地しても誰もわからない。


「取り敢えず、誰か部屋に行って明かりを点けてくれないだろうか?」


 船になった羽海(うみ)からの声に、各々動き出すが方向がわからない。


 柑奈がつまづいて転ぶと目の前の響を巻き添えにし、莉衣奈と風香は反対方向に歩いて行き、リアとエルは甲板の端まで移動した。


「リーダーとふーかは逆です逆、そっちは船首(せんしゅ)。ヒビかんの2人は早く立ち上がって下さい。エルは休むな! リアたん手すり越しに行くのは良いけど逆よー」


 羽海の指示によって方向修正したメンバーは、手を前に出してすり足気味にゆっくりと進んで行く。


 やがて柑奈が扉に手を付いて開けると、今度はスイッチの場所探しが始まった。


 カチッ


 響が部屋の電気を点けると、ようやく安心できた。


「スイッチは普通、入口付近でしょ」


 部屋の奥まで進んでいた柑奈に響は呆れたように言うと。


「はあっ?! 最初に入ったの私なんですけどっというか初めてなんですけどっ!?」


「私だって初めてよ?」


「こんな所で(いが)み合わないでくださいよ」


 響と柑奈の間にリアが割って入る。


 リアの後に莉衣奈と風香(ふうか)が続いて入り、最後にエルが入った所で一旦落ち着いた。


 ここからの脱出方法。


「なんにも見えないから出口もわかんない」


 柑奈はお手上げと言わんばかりに肩をすくめる。


「この船……羽海自身が光ったりとかは出来ないの?」


 響の疑問に羽海本人が答える。無理。


「本人が光ると言えば、エルがそうだけど……」


「ここにいる全員が石化しますね」


 リアはチラリとエルを見る、エルは即座に首を振った。


「あとは……柑奈ちゃんのカード頼みになる、かな」


 莉衣奈は柑奈の方を見た。


 柑奈は「うーん」と考え込んでから顔を上げる。


「ランダムだから期待のモノが出るかわかんないけど、やってみる」


 柑奈はデッキを片手に部屋を出る。エルがそれに続いて部屋を出た。


「僕も一応、上の方を調べて来ますよ」


 エルは天使の翼を広げ上昇して行った。


 それから少しして、天井らしきモノに触れたエルは、ペシペシ叩いたりして強度を確認する。


「……壊せそう」


 スーッと平行移動してみると、そこから落ちて来たであろう穴があった。大きさからして、船で通過するには少し小さく感じる。


 他の場所も調べたが何も発見出来ず、エルは船に戻った。


「光れええぇえええぇぇぇ」


 そこでは柑奈が上にカードを掲げながら念じていた。


 結果、光ではなく強い風が吹き柑奈は効果が切れるまで部屋に避難する。


 2度目のチャレンジでは船底から炎が燃え上がり、羽海の悲鳴が響き渡る。


 急いで使った3枚目のカードで今度は船が凍った。


 その間にエルは莉衣奈たちに報告をし


「壊せるなら、穴を広げて貰って船ごと上がるってのはどうかな?」


「上がるって、どうやって…?」


 莉衣奈の提案に響が疑問を呈する。


「ジェット噴射、みたいな…? これもカード頼みだけど」


 他の案も話し合われたが、結局最初の莉衣奈の意見を採用し、エルが再び天井の穴まで上がる。


 今度は拳に力を集中さるとオーラを纏い、突き上げた拳で天井ブロックを破壊する。


 破壊されて粉々になって落ちる破片はリアのバリアーで防ぐ。


 しばらく破壊が進んだ所で、柑奈が待望の水を船の真下から噴射させた。


「来た来た来た来た来たキターっ!!」


 柑奈が大きくガッツポーズし、船はあっという間に天井穴を通過。


 エルもペースアップし、いつ以来かわからない必死さが出た。


「! エレベーター…? 誰か乗ってたらごめんなさいね」


 頭上に見えたエレベーターを押し上げ進むと


 ガシャーン


 という大きな音をたてて最上階に突撃する。


 エレベーターの箱ごと50階に突っ込んだ数秒後に船も突撃。


「———なっ…なにごと!?」


 奥の方から声がし、エルが見ると


「やっぱ「あーっ! やっと見つけたぞ! うさぎ!!」


 エルの言葉を遮って柑奈が指差して怒鳴り込んだ。


「げっ」


 うさぎと呼ばれた女の子、悪井(わるい)うさぎは顔を引き攣らせる。


「セミノはどこじゃー」


 続いて響も現れ柑奈の横に並ぶ。


「セミノ…? まだ帰ってないですヨ」


「ホントかー? 入口まで一緒だったんだから居るでしょー?」


「———こ、ここに居まーす」


 背後から声がして振り返ると、ひしゃげたエレベーターからセミノが顔を出した。


「よくもさっきは落としてくれたなぁ!?」


 柑奈はヤンキー風にガンを飛ばしながらセミノに向かって行く。


「? 何の話かわっかんねーです」


(とぼ)けるんじゃ無いよー下のロビーでの話だぞごらぁ」


 響もヤンキー風にガンを飛ばし、ヤンキー座りをしながら上目遣いに睨みつける。


 セミノは困った顔をしながら、会えた喜びで笑顔になって話しかける。


「戻ったら皆んな居なくて、ビルから探そうと思ってたんですよー会えてよかったー!」


「いったいどうなってんだ柑奈? ごらぁ」


「全くもって意味が分かりませんぞ、ごらぁ」


「……何しに来たんすか…?」


 うさぎの呟きに柑奈が反応する。


「そうだそうだ、オンメーの悪事を止めに来たんだ」


「やだなぁ…変な言い掛かりやめてくださいヨ」


「んな事、莉衣奈ちゃんの前でも言えんの?」


「当然でしょ」


 柑奈の質問に鼻で笑いながら答える。


「だったら、お願いしようかな」


 エレベーター側から莉衣奈が現れ、風香とリアもうさぎの前まで歩いて来た。


「い゛!? いらっしゃったのなら早く言ってくださいヨー」


「ホントうさぎって莉衣奈ちゃんの前だと別人だね」


「何を仰いますやら……」


 キッ!とうさぎは柑奈を一瞬だけ睨んだ。


「……とにかく、色々と聞きたい事があるから、ちゃんと答えてね…?」


「は、はははは、はいっ」


 莉衣奈のニコッとした表情に対し、うさぎは冷や汗だらだらにしながら頷くのだった。



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