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4—10 チームBその2


 巨大な蜘蛛に追われて居たところに空から現れたのは″ルピナス″6期生の蝶野(ちょうの)セミノだった。


「誰かと思ったらフーカっちじゃん! おっひさー!」


「ど、どうも…お久しぶりです先輩」


「歳イッコしか違わないんだからもっとフレンドリーで良いって……ってか、ビッキー先輩にヤシロン先輩じゃん! 会えてめちゃめちゃ嬉しいですっ写真撮りましょ写真! フーカっちもこっち来て来て」


 勢いで流されるまま4人は集まりセミノの持つ自撮り棒のカメラを見る。


 1枚撮るとセミノはそれを確認して


「あはっ ビッキー先輩変顔なんですけどー! フーカっちも目閉じてるし! ヤシロン先輩口膨らませてどーしたんですかっ」


「笑い堪えるのにっ必死なんですけどっ」


「ほの顔に耐へられるかな?」

「ぷはっはははははははははははははははははははははははははははっっはははははははははっっ」


 (ひびき)の変顔を見た柑奈(かんな)が腹を抱えて笑い転げる。


 それを見たセミノが「え?え?」といった感じで風香(ふうか)の方を見た。


 風香は2人がキノコを食べておかしくなっている事を説明した。


「あー……それでクモやんが怒ったのかぁ」


「くもやん?」


「この子の名前! 激かわな子でさー名前決めんの迷ったんだよねー」


「……そ、そう……なんですか」


「んで、この子のご飯時に自分の縄張りに来た先輩たちに警戒心持っちゃったってな感じだけど…目の前でフン食われて恥ずかしかったのが一番かな」


「何ですかフンって?!」


「正確にはフンから生えたキノコを食べたって事! いやーこの世界の虫たちは今までの知識が通じなくて面白いよ」


 フンは土に混ざりやがてキノコが生えるのだそう。


 それをたまーに食べる人が居て、まさかフンとは気付かず持ち帰るのだとか。


「図鑑にも載ってるけど、別に害はないから大丈夫! あーやって笑ったりするくらい」


「それ絶対に先輩たちに言わないでくださいね」



 その後、効果が切れた2人は疲れ切った様子で木を背もたれに座り込んだ。


「あ゛ーっ喉、大丈夫かなぁ」


 柑奈は喉の調子を確認しながら喉をさする。


 その柑奈の側にセミノは歩いて行き、手に持ったビンを差し出した。


「よかったら、コレ舐めてください! 喉に効きます」


「ありがとー……ハチミツ?」


「今朝ハッちゃんが届けてくれた採れたてなんですよー」


「こっちにもちょーだい」


「はいどーぞ!」


 効果覿面(こうかてきめん)で、ものの数分で復活した柑奈と響は、他のメンバーが待ってる場所へと向かうのだった。



「お疲れー3人とも……ってひとり増えてるじゃん」


 ご飯の支度をしていた羽海(うみ)は、風香の隣に居るセミノに気付いた。


 それを聞きつけた他のメンバー、リアとエルも集まって来る。


「みんなのアイドル、セミノでーすっ! 元気にしてましたかー先輩方?」


「相変わらず元気良いなーセミノは…クリスマスパーティ以来かな?」


「コッシー先輩とは年末年始に会ってないですもんねー……だとしたらずいぶん会ってないかも」


「ほとんどのメンバーはそれに該当するんじゃないの?」


 リアの指摘にセミノは「それもそうですね」と答える。


「あ、同期とは集まった記憶がありますよ! この世界に来る直前まで一緒だったような気もするんですけどねー」


 この世界に来る直前の記憶は、この場に居る全員が曖昧でどこで何をして居たのかも思い出せなかった。


「それはそうと、デッカい蜘蛛はもう居ないの?」


 エルは風香の方を見ながら聞いて来たので風香がそれに解答する。


「はい、もう大丈夫です」


「そっか、さっきリーダーが駆け込んできてずっと物陰に隠れて出て来ないんだよね……呼びに行かないと」


「リーダーが居るの!? 激ヤバなんですけど!!」


 セミノは興奮しながらエルに詰め寄る。


 そういや、最推しがリーダーって初めて会った時から言ってたなーとエルは心の中で思い出していた。


 全員でリーダーの隠れて居る場所まで行き、セミノが元気良く呼びかける。


 すると莉衣奈がヒョコッと顔を覗かせて、周囲を見回す。


「キャーーッッ!めっっっっっっっっちゃ可愛いんですけどーーー!!! ハグしていいですか!? いや、しましょう!!」

「落ち着け」


 柑奈は今にも飛び付きそうなセミノの襟を掴んで引き離す。


「あーんイジワルしないでくださいよーヤシロン先輩ー運命の再会ですのにー」


 その後、莉衣奈とも再会の挨拶を済ませると、これまでの経緯をセミノに説明した。


「へー! 今14人集まってんですかー! 最高ですリーダー」


「イズナちゃんたちも誰かと合流してるかもだけどね」


「少なくともこっちは、あーしともう一人で2人確保ですね!」


「もう一人って、誰?」


 莉衣奈の質問に、セミノは人差し指を立てて答える。


「行ってからのお楽しみって事で! この先にずーっと行くと街があるんで、そこに向かいましょ!」


 そして、歩いて行くと遠いからとセミノは指笛を吹く。


 すると現れたのは


「ご紹介しまーす! ヘラクレスもびっくり! カブトムシのカブくんでーす!!」


 先程の蜘蛛より大きい、カブトムシだった。


「嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁああああああああああああああああああぁああああぁああああああ!!!!!」



 莉衣奈の絶叫が鳴り響くのだった。



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