4—8 チームAその7
「今回はまんまとやられましたな」
しばらく動けそうに無いので反省会をする事にしたイズナ達は一旦食堂に移動し開口一番にイズナが口を開いた。
「あのー3人とも耳、大丈夫ッスか?」
おずおずと手を挙げて、晴はイズナ、ネコネ、陽子の方を順に見る。
すると3人はケモ耳をぴょこぴょこと動かしさすったりした。
「んー…ちょっとキーンとはなってるかな…? 時期に治ると思うけど」
イズナがそう答えると他の2人も頷いた。
「そんな気にしなくたって良いっすよ先輩! アタシらはそん時敵だったんスから」
陽子がにこやかに笑いながら晴に言うと、ネコネがうーんと唸りながら腕組みをして
「晴ちゃん先輩のスキルって、魔物特攻って考えでいいの?」
「……は? 耳の良い動物にも効くと思うけど……」
「そもそも、この世界に動物って居るのかな…? ボク見た事ないんだけど」
「いや、お前が猫になってるだろ?」
「それは変身だし、猫の姿で喋れるし……普通の猫では無いよね」
「……つまり、何が言いてぇんだ?」
「ボクたちの変身は、″動物”にでは無く″魔物″に変身してるんじゃないか……て」
ネコネは以前白衣の男に言われた事を思い出していた。
魔物だから罠に掛かった。
今回の豹変したメンバーは全員ケモ耳属性の人。
「ウチは別にケモ耳じゃないけどね」
ネコネの話を聞いていたミカが呟いた。
「そう言えば、ミカは何でおかしくなってたの?」
ネコネがそう聞くと、ミカは視線を宙に彷徨わせながら考える。
「わからない。エネルギーを吸われすぎて意識が朦朧としてたから」
「結局、何のためにエネルギー吸われてたんだろうね……アイツは答えてくれなったけどさ」
潤葉が更に疑問を投げ掛けるが結局は誰も答えが出ない。
「あの変装はヤバかったねー、いつから変装だったのかって……最初からなのかね」
「流石に違和感はあったでしょー?」
イズナの言葉にマホはあっけらかんと答える。
それには他のメンバーも驚いた。
「匂いと話し方かなー」
マホがそう答えると一斉に潤葉に視線が集まる。
「クンクン、匂い……えー……? 潤葉ちゃん、何か話してみてくれないかい?」
「そ、そんな事言われても……私もその偽者と話してみたかったな」
「あー!」
イズナが大声を出すと潤葉はビクッと反応した。
「何ですか先輩」
「潤葉ちゃんの一人称、私じゃなくて、私じゃん! あの時は記憶が混乱しているせいだと思ったんだけど…」
「……何スかその間違い探し」
晴は少し引き気味に呟いた。
その後、話題は晴の白鳥へと移り
「だから、上手く飛べないから人は乗せらんないの!」
「だったら猫の姿でも良いから乗せてよ」
食い下がるネコネ、それにイズナが加わり
「自分も狐の姿で乗せてもらえないかな」
「いやだから飛べないって言ってるじゃないスか!」
「じゃあアタシもトラの姿で——」
「オメェはもっと無理だぞ陽子おおおぉおお!!」
「空を飛びたいなら、このアタシに言えば箒で」
「遠慮します」
マホの提案にネコネは即答する。
今度、ネコネたちが晴の飛ぶ練習に付き合うという約束になり話は終わった。
そして、まもりの勇姿の話にもなり、照れながら
「アレは無我夢中で、何が何やらって感じです…はい」
吹雪の氷の山のアシストだったり、ミカが想像以上に手に負えない強敵っぷりだったりと話は尽きなかった。
それから少し近況報告をイズナたちとミカたちは行い、莉衣奈たちと合流するべく、島の北へ他のメンバーを探しながら明日向かう事にするのだった。




