表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/148

4—5 チームAその4


 翌朝、ネコネと潤葉(うるは)が居ない事に気がついたが散歩でもしてるのかと思いイズナ達は特に気にしなかった。


 ただ、朝に弱いネコネにしては珍しく朝食の時間になっても戻って来ず、辺りを探しに行こうかという事になりイズナ達は外に出る。


「ん?」


 宿屋の入口付近でざわついている人たちを見かけ、何事かと覗き込むと。


潤葉(うるは)ちゃん!?」


 壁に寄りかかって眠っている潤葉を発見し、イズナは駆け寄った。


 外傷は無く、本当にただ眠っているようで、イズナが軽くゆすると目を覚ました。


「………あ、れ…?」


 ゆっくりと瞼が開き、イズナの顔を見て青ざめる。ワナワナと震え出し、イズナの両肩に手を乗せて訴え掛ける。


 潤葉が深夜の出来事を急いで説明すると、イズナ達は驚きつつも(せい)が真っ先に飛び出し、まもり達もその後に続く。


 人混みを掻き分け北を目指し、荒れた道を駆け抜けると闘技場らしき建物が見えて来た。


 人の気配は全く無く、目についた入口から中へと入る。


 観客席側ではなく、選手側の通路を探して明かりもなく薄暗い通路を走って行くと、中央付近に立っているネコネの後ろ姿が見えた。


「ネコネ…? まさか一晩中ここに居たのかよ」


 晴がネコネの肩に手を伸ばした瞬間


「———ッ痛ってぇ!?」


 振り返りざまに晴の手の甲を引っ掻いた。


「ッ何すんだよ!?」


「シャーッッ」


 ネコネの眼は真っ赤に光り、ケモ耳や尻尾が逆立っている。そして晴に向かって飛びかかる。


「?! ———こおり?」


 2人の間に氷の塊が出現し晴を守った。


 振り返るとそこには、両手をかざしている吹雪(ふぶき)が居た。


「私の能力は″氷”です……援護は任せてください」


「———ッぐ……うぅ……」


「! どうしたのヨウちゃん!?」


 後ろに居た陽子(ようこ)とイズナが苦しそうに膝を付いた。


「ここに来てから、若干違和感を感じてたんだけど……ここに来て、ヤバいッ」


「イズナ先輩もそんな感じですか?!」


 まもりがイズナに駆け寄り確認する。


 イズナはコクンと頷く。


「ごめん、戦えそうにないや……」


「そんなの気にしないで下さいッスよ! 3対1でネコネを抑えますから……てか、潤葉が居ねーな」


 見える範囲に居るのは、晴と吹雪、まもりにイズナと陽子で5人。


「晴先輩! 気を抜かないでくれませんかね!?」


 呑気に人数確認してる場合ではない。


 ネコネが回り込んで猛スピードで突っ込んで来た。


「ふっ」


 カーン


 今度はまもりが盾で防いだ。


「ミカが捕まってるって聞いたんだけど……居ないじゃんか———ッッ」


 ドゴンッッ


 晴の顔面スレスレで風圧か何かが通過し後方の誰も居ない壁に穴が空いた。


 とてつもない、圧を感じ晴たちは身震いする。


 土煙を上げてゆったりと歩いてくるのは———


「ミカ、じゃん……なーんだ」


「晴先輩見てください! ミカ先輩の眼、赤いですよ!?」


「なにっ?!」


 牙を剥き出しに、ミカは突進して来る。


 まもりは盾でそれを防ごうとして


「———かはッ」


 まもりはお腹を抑えて膝を付いた。


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」


 ミカは叫びもう一撃を繰り出そうとし


「させません!」


 吹雪が咄嗟に氷の壁で攻撃を防いで………


「———は?」


 吹雪が後方に大きく吹き飛ばされた。


 氷の壁は壊れていない。


「何が…どうなって……っ」


 晴は思わず後退りすると、背中に何かが当たった感触があり振り向くと、イズナが立っていた。


「起き上がって大丈夫なんスか? とりあえず撤退した方ガッッ」


「セイ先輩!?」


 晴はうつ伏せに倒れる。背中に大きな引っ掻き傷を作って。


「———な、に、するん、スかッイズちゃん…先輩ッ!!」


「グオオオオオオオオオオオオオォオオオオオオオオォンンンンッッッッ!!!!」


「なっ…………」


 晴は痛みを堪えながら起き上がり振り返ると、イズナと陽子が赤い眼で……まるで獣のように吠えて居た。



「………ど、どーすりゃいいんだよ!?」


 前方にネコネとミカ、後方にイズナと陽子。


 全員が敵意剥き出しで襲って来る。


 退路は塞がれた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ