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3—10


 目覚めたエルだったが疲弊(ひへい)しているのか動けず、莉衣奈(りいな)がおんぶして行く事に。


 重症ではあるが、何故か動けるという(ひびき)とまもりの2人……響を柑奈(かんな)が無理矢理おんぶをして、まもりを(せい)が担当した。


「こら暴れんな!?」


 恥ずかしがってバタバタ動く響に柑奈は怒鳴りつつも涙を堪えようとしかめっ面になっており、それを見ていた他のメンバーは微笑むのだった。



 街に戻るまでの道中、柑奈は自分が活躍した話を響に自慢する。


 それを響はふんふんと相槌を打つ。


「結局10回未満ってのは変わらないんだ」


「うん……光らなくなっちゃった。でも全部役に立つ効果が出て凄かったんだよ!」


「意識の問題なのかな…? 実験した時はテキトーだったし」


「そーなのかな…? そーだといいな…あ、リボン返さなきゃ、血まみれだけど」


「え、拾ってくれてたの? って、あり得ないよね」


「金ピカスーツのおじさんが持ってた」


「あー………そのオジサンどうしたの?」


「地面の下、後はわかんない」



 響と柑奈の止まらない会話を近くで聞いていた晴は「すげー」と思いながら背中のまもりに話しをしようと声をかけた。


「………すぅ……すぅ……」


 しかし返って来たのは寝息だった。


「ありゃま」


「まもりちゃんも大怪我してるっぽいからね、重かったら代わるよ? セイちゃん」


「別に平気っスよ、誰かをおんぶしたの初めてかもなーと思って……良いもんスね」


「背中に当たる感触は、メンバートップクラスの大きさだからね、今のうちに堪能しとくんだねぇ」


「そこが良いとは言ってないっスよ!?」


 イズナがからかうように笑うと、晴は顔を真っ赤にして否定する。



 やがて街に着き真っ先に向かったのは、石化させられた皆んなの所。


 響も何とか意識を保ちながら歌う。


 リアたちは石化が解かれると、その場に力無く倒れた。


「………リーダー?」


「みんな、元に戻って良かった」


 座り込んでしまったものの、リアは顔を上げて莉衣奈と他のメンバーを見回す。


「あーダルくて動けないよ、晴ちゃん先輩おぶってー」


 ネコネが近くに立って居た晴に手を伸ばす。


 しかし晴はそれを拒否するように一歩離れた。


「今まもりをおんぶしてるから無理」


「何その羨ましい状況……じゃあさ、ボクがまもりちゃんをおんぶするよ! んで、晴ちゃん先輩がボクをおんぶするの、どう!?」


「何がどう、だよ!意味わかんねーよ!?」




「リアちゃん、疲れてるとこ悪いんだけど……響ちゃんとまもりちゃんの治療をして貰えないかな」


「よーろしくー」


 リアの目の前に仰向けで満面の笑みを浮かべながら血まみれの響が横たわって来た。


「ぅえええぇえええぇえええッッ!?? 血まみれじゃないですか、響先輩!!」


「うんー、もう限界だから、後よろしく」



 そして、響とまもりはリアにヒールしてもらい、粗方傷は治った。しかし出血した分の血は戻らない。


「医療関連の知識が無いので、どう処置したらいいのか……」


「病院って、あるのかな」


「リーダー、僕もう歩けるからおろして」


 エルが莉衣奈の背中から降りると、トコトコと歩いて行き振り返って指をさした。


「こっち……診療所があったハズ、記憶が間違ってなければ」


「……あ、そうなんだ。行ってみよ」


 莉衣奈は響をお姫様抱っこして移動を始め、晴に声を掛けて…何故かネコネが悲しそうな声をあげていたが晴はそれを無視して、莉衣奈の元へとやって来た。



 風香たちも次第に動けるようになり、本調子では無いものの、吹雪(ふぶき)たちと合流しようという事になった。


「生命力? なんか、石化中は身体のエネルギーを吸われてるとかなんとか」


 柑奈が説明しようと頑張るが、よくわからなかった。


「点呼とるよー居ない人は言ってねー」


 イズナが手をパンと叩いてメンバーの注目を集める。


 莉衣奈、響、晴、まもり、エルの5人は診療所へ行き、その他のメンバーは。


「カンナちゃん、マホちゃん、リアちゃん、ネコネちゃん、ウミちゃん、フーカちゃん……んで自分、7人だね……移動するよーはぐれないでねー」


 引率の先生よろしく、イズナは先頭を歩き出した。


「センセー場所知ってるんですかー?」


 ものの数分経たない内に羽海(うみ)が手を挙げて質問する。


「良い質問だ! 実は知らんのだよ」


「…………」


 全員から無言で見られて、イズナは慌てて手と首をブンブン振る。


「我こそは知っているぞ! って人は居るのかい!? 居ないだろ! なら一緒だ!!」



 その後、宿屋が建ち並ぶエリアを探索し、偶然窓の外を眺めていた陽子(ようこ)に声を掛けられ、ようやく合流したのだった。



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