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3—7


「そのカード強いッスね」


 研究所に向かう途中に(せい)柑奈(かんな)に駆け寄る。


「でも今まで自滅系ばっか出てたんだよ……ひびきちゃんに、あまり使うなって言われた」


「そのデッキ?の枚数分使えるのかな?」


 莉衣奈(りいな)は柑奈の手にあるデッキを指差す。


「んーん、半分くらいで力尽きちゃった」


 デッキは全部で20枚。


 以前に(ひびき)と試した結果、発動した効果の殆どが自滅系だったという。


 槍が降って来たり


 大岩が転がって来たり


 地面がツルツルになって効果が切れるまで転び続けたり


「カードを引くまで効果がわかんないから、さっきのは運が良かったんだ」


 現時点で使えるとして、半分も保たないとなると10回もないと言う事になる。


「今日使った回数は?」


「シャボン玉、自白、目眩し、水か何かを噴射したヤツ、落とし穴。5回かな」


 柑奈が指折り数える。


「使えて後5回あるかどうか……かな、もしかしたらそれ以上使えるかもってのもあるかも」


「ん、わかったありがとう柑奈ちゃん」


「これって、何の確認スか? リーダー」


「どれくらいカードに頼れるか、だよ。研究所内で戦闘になった時、晴ちゃんの大声は使い難いだろうし、なるべく私とイズナちゃんで対処しなきゃなって」


「あー……なるほど」


「ちなみに、セイちゃんは他に戦闘スキルは有るのかい?」


「んー……今はコレだけッス」



 研究所前、門番らしき者は居らず。今回は正面から入る事にした。


 頑丈なガラスの自動ドアが開き4人は足を踏み入れる。


 シン、と静まり返ってある建物内はヒトの気配も感じられず、代わりに居たのは———


「……ロボット?」


 何体かのロボットが、廊下を行ったり来たり。


 ローラーで物音を立てず移動している。


「……見つかったら警報とか鳴らされるのかな」


 莉衣奈が小声で喋ると、他のメンバーも小声で会話する。


「人体をサーチする機能とかあったりして」


「どんだけハイスペックなんスか」


「音を感知したら凄いね」


「声もヤバいかも?」


 イズナと晴の会話に柑奈も加わり、コソコソと4人は移動を始める。


 何事もなく奥に辿り着き、そこにあるのは地下へのエレベーター。


 それに乗り込んで地下へと進む。


 到着してエレベーターから降りた瞬間、先程とは形態の違う機械がこちらを向いて


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


 マシンガンを撃ち込んで来たのでエレベーターへ退避。


「ヤバいヤバいヤバいヤバいッッどーしまスこれ!?」


 一目散に駆け込んだ晴は叫ぶ。


「これじゃ近付けない……」


 莉衣奈とイズナはタイミングを見計らうが、なかなか止まない。


「……ここはカードの出番?」


 柑奈がドローの姿勢に入り莉衣奈に伺う。


「お願いできる?」


「良いの来い! ドロー!!」


 現れたのは廊下ギリギリの大きさの雪玉。


「雪玉ころころ、これ押して行こ」


 お陰で銃弾が貫通して来ず、いい壁になっている。


 4人で雪玉を転がして敵を押し潰して行く。


 最奥まではほぼ一直線で、迷う事はなく進むと扉の前にロボットが二体。


「………ここもカード、行っとく?」


「いや、ここは私に任せて」


 柑奈を制すと莉衣奈は目を閉じて深呼吸を始めた。


「まさかリーナちゃん、アレを使うのかい?」


「アレって何スか?」


 莉衣奈が一歩を踏み出すと姿は見えなくなり、次に視認出来たのはロボットの後方だった。


 ジリ ジリ ジジジジジ


 二体とも倒れ、ショートしたかのように動かなくなった。


「すっげぇー! そんな技出来るんスか!!」


 晴が興奮気味に駆け出す。


 莉衣奈はふぅーっと一息吐いた。


「もう使いこなせるのかい?」


「自分の意思で出せるようになったけど、結構集中力と体力がいるね……何度も使えないかも」


「船で精神統一とかしてたもんね、凄いよ」


 自動ドアが開き中に入る、天井が高く少し広い空間。部屋の奥に見えるのは、円柱の水槽……その中にヒトの姿があって、近付いてみると。


「エルちゃん!?」


 身体に色々なコードが巻き付いていて、寝ているように静かだ。


「おや、君たちか……と言っても、全員初めましてだね」


 エルちゃんの前に居るのは、白衣の男。


「あの屋敷では直接の対面は無かったからね、猫の魔物ちゃんは元気かな?」


「………生憎、猫の魔物なんか知らないね」


 イズナは口元だけ笑って答える。


「……まあいい、君たちの目的はわかっている。この娘を連れて行きたいんだろ? 彼女はもう少しで覚醒するんだ、待ってくれないかな」


「覚醒…?」


 莉衣奈は眉をひそめると、男は両手を広げて告げた。


「そう、彼女は堕天使になるんだ!」


「「「「は????」」」」


 全員の頭に″?″が浮かんだ。



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