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3—6


「割と街から離れてたと思うんだけど……?」


 莉衣奈(りいな)は首を傾げる。


 それに続いてイズナ達も意味が分からないと言った感じに辺りをキョロキョロした。


「もしや我々はループをしていた……?」


 イズナがぽつりと呟くと柑奈(かんな)が同意する。


「それしか無いよーな気がする」


「ほんとッスか〜?」


「確かめてみる?」


 半信半疑の(せい)に莉衣奈は来た道を指差してもう一度行くか確認する。


 イズナと柑奈が頷き戻る事にした。


 そしてある程度進んだ所で、イズナだけが走って行き、残りはその場待機する。


「おりょ、やっぱそーだよね……おーい」


 背後からイズナが来た事により、ループしている事が分かった。


「……まぁ、わかったとこでッスよね」


「なんで前は行けたんだろ……?」


 晴は空を見上げ、柑奈は首を傾げた。


「それは、エルちゃんと一緒に通過したからじゃない?」


「何か仕掛けがあるのかも…?」


 イズナが周りを観察しようとした瞬間「あ」と言う声をあげた。


「あれじゃないかい? 白い建物」


 指差した方を莉衣奈たちが向くと同時に軍服のようなものを着た男たち数人と金ピカスーツのオッサンが歩いて来るのが見えた。


 オッサンはこちらに気付くと、ニヤケ面のまま近くで立ち止まる。


「わざわざそちらから来るとはねぇ、探す手間が省けたわい」


「ぇっと……このヒトが…?」


 先程聞いた響たちの小屋に来た連中かどうかを柑奈に確認するように、莉衣奈は視線を向ける。


 柑奈は無言で頷いた。


「まだ仲間が居たとはな……まとめて始末させてもらおう」


「!?」


 数人の男たちはライフルのようなモノを構える。


「……まったく、せっかくファンタジー世界に来たってのに、どいつもこいつも銃ばっか……剣や魔法は無いのかい」


 イズナはやれやれとボヤいた。


 確かにそういった敵は今のところ出会ってないが、そんな事を言っている場合ではない。


「ひとつ聞きたいんですけど」


 莉衣奈は金ピカのオッサンに問い掛ける。


「冥土の土産ってやつか、いいだろう」


「エルちゃん……白い翼で飛んでる女の子の居場所はどこですか?」


「ああ? ———ああ、あいつか……知らんな、答えられんよ、他の質問にして——」


「詳細に場所を教えなさい」


 柑奈が一歩前に出る。


「それは命令か? 答えるわけ———そこの研究所の最奥にある博士の研究室だ———なに!?」


 金ピカのオッサンは両手で自分の口を塞ぐ。そして柑奈を睨み付け


「なんだそれは」


「今日はカード運が良いね」


 柑奈の右手にカードがあった。


「ひとつの質問に対して絶対に嘘をつけない効果、滅多に出ないレアカード、らしい」


 柑奈の説明が終わるとカードの効果が切れたのか輝きがおさまった。


「ちっっ……姑息な手を使いやがって……最後に朗報をくれてやろう……お前の相方は既に始末した」




「———は?」



 時が止まったかのように、柑奈の動きが止まった。



「うそだ……ぅそだ嘘だ……嘘だッッ!!」


「大人しく従っていれば良かったものを、抵抗しやがったからな、後ろ手縛られてるクセに」


 ダンッ ダンッ ダンッ


 柑奈は右足で強めに地団駄を踏んだ。


「柑奈ちゃん落ち着いて———ッッ」


 莉衣奈が柑奈を落ち着かせようと手を伸ばそうとして、目の前に血塗れのリボンが視界に入った。


「コイツがどういう事かわかるか? くっくっく———やれ」


「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!」


 ピカーっと周囲が眩い光に包まれ誰も目を開けてられなくなった。


「消えてなくなれええぇええええええええええええええええぇエエ!!!」


 眩し過ぎてカードから何が出たのかわからない。


 しかし勢いよく噴射された何かは敵を吹っ飛ばした。悲鳴が聴こえ静かになる。


 そして視界が戻ると金ピカのオッサンを含めた男たちが倒れていた。


「はぁ……はぁ……」


 柑奈は再びカードを引く。


 その効果は落とし穴。


 男たち全員を囲うような巨大な大穴。


 全員残らず落下して行き、穴は閉じた。



「…………」


 しばしの沈黙が続き、やがて晴が口を開く。


「大丈夫だよ! 響先輩は生きてる! 絶対に」


「………」


 柑奈は地面に落ちているリボンを拾い上げる。


 響がいつも身に付けているモノと同じだ。


 ギュッと握り締めると、スカートのポケットに仕舞った。


 ゆっくりと振り返り、莉衣奈たちの顔を順番に見て。


「うん、簡単にくたばる訳ないじゃん……行こ!」


 


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