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3—5


「嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「やだあああああああああああああああああああああああああああああああ助けてええええええええええ」


 街道沿いを逸れた所で、体長3メートルを超える大きさの熊型魔物に襲われた莉衣奈たちは全速力で逃げる事を選択した。


 途中、莉衣奈とイズナ組と(せい)柑奈(かんな)組に別れると、魔物は晴たちの方を追いかける。


 晴と柑奈は悲鳴をあげながら走り、その後ろ僅か2〜3メートル程の距離を魔物が、それから更に後方、30メートルくらいの間隔を空けて莉衣奈たちが追いかけている。


「なんでなんでなんでこっち来んのおおおおぉお!? どっか行ってよおおぉおおぉおおおおおおおおおぉッッッッ!!!?」


「こーなったら一か八か!!」


「何か出来んのせい!!?」


「攻撃すんのに息を目一杯吸う必要があるんスよ、だから少〜し時間稼ぎを……」


「あたしの能力ランダムだから上手く行くかどーか」


 柑奈は走りながら懐からカードを取り出した。


「ドロー!!」


 山札から1枚を引いて魔物に向かって(かざ)したすと、カードが光りそして


 魔物と同じくらいの大きさのシャボン玉が出現した。


「まさか魔物を閉じ込め———」


 パァン


 ベチャ


「ああ!? 目にシャボン玉がぁッッ」


 シャボン玉はあっさりと割られ、柑奈にダメージが……


 すぅーー


「わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!」


 晴は大声で叫んだ。


 ズンッッ


 すると魔物は白目を剥いて倒れた。


 ヒトにとっては苦情モノのうるささ、魔物や聴力の優れた獣にとっては大ダメージ。


「ぃやったああああああ!!」


「鼓膜イカレるかと思ったけど成功だよ!」



 晴と柑奈、2人は喜びのハイタッチをする。


「イズナちゃん!? イズナちゃんしっかり!」


「ほぇ?」


 少し離れた場所でイズナが倒れている。莉衣奈の呼び掛けにも反応がない。


 柑奈たちは駆け寄った。




「きつね?」


 晴と柑奈は莉衣奈から説明を受ける。


 2人ともきょとん、とした表情で頭の上に”?”マークが見えるようだ。


 木陰でイズナに膝枕をし、頭をなでながら莉衣奈は続ける。


(せい)ちゃんの能力が耳にダメージを与えるものなら、獣耳のあるイズナちゃんには効果抜群だったみたいだね」



 その後目を覚ましたイズナに狐になってもらい、柑奈たちは歓喜の声を上げた。


「かわいい!!」


「ちょっ抱きつかないで! 耳やめい! あははははははっストーップ!!!」


 撫で繰り回されたイズナは莉衣奈の頭の上まで駆け上りぜぇーぜぇーと荒い呼吸を整える。



「他にも獣耳のヒトって居るんすか?」


 晴の質問に莉衣奈は空を見ながら考える。


「今のところ、イズナちゃんとネコネちゃんかな……あ、陽子ちゃんも獣耳なのかな」


「ようこちゃん? さっき居た?」


「柑奈ちゃんはまだ会って無いのか、吹雪(ふぶき)ちゃんと陽子ちゃん、まもりちゃんは宿屋とかに居ると思う」


「……さっきの光に巻き込まれて無きゃいいけど……」


「直接浴びなければ大丈夫なんだよね? 建物内に居るだろうから無事だと思う」


「なら安心だ」


 街から西に出て進んだ所に誰も近寄らない建物があるのだと商人に聞いた。


 後は何となくで進んで来たわけだが。


 この辺りに生息している魔物はどれも大きく、なるべく戦闘を避けつつ移動する。


 景色が変わらず目印になるモノも無く、進んでいる感じがしない。


「おかしいな……」


 柑奈が立ち止まって首を傾げる。


「前に来た時はこんなに歩かなかったもん」


「何か思い出したのかい?」


「飛んでるえるちゃんばっか見てたけど、こんなに歩かなかった事だけは覚えてる」


「じゃあ、進む方向を間違えているって事かな」


 来た道を戻り始める。


 するとモノの数分で街に着いた。


「あれ?」



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