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3—4


「……それってどう言う事?」


 雑貨屋から出て石化した皆んなから離れた場所へと移動する最中、莉衣奈(りいな)が質問する。


 柑奈(かんな)は唸るように考えて


「わかんない」


 絞り出した答えがそれだった。


 莉衣奈、イズナ、(せい)の3人は沈黙し、柑奈の次の言葉を待つが出て来ない。


「なんでエルが皆んなを石化してんですかい?」


 痺れを切らした晴が少し詰め寄る。


「それがわかんないんだよぉ! いきなり現れて謎の光であんなんになっちまうんだもん」


 なるほど。こりゃわからん。


 莉衣奈もイズナも、現時点で答えが出るわけないと、考えるのをやめた。


「戻す方法はないのかな?」


「あるよ」


「あるの!?」


「………でもこれ、ひびきちゃんが居ないとダメなんだよねぇ」


 歌乃響(うたのひびき)、彼女の歌声はカッコよくて大人気。


 この世界での能力は、その歌声で石化を解除させる効力を持つという。


「———その響ちゃんは今どこに……?」


「……わかんない……逃げろって言われて離れ離れになったから……」


「……何があったの?」


 路上ライブで生活費を稼いでいた2人はある日、響の歌が石化したヒトを治す力がある事を知る。


 それはたまたま、彫刻か何かだと思っていたら歌声で元の姿に戻ってあらビックリ。


 それ以来、2人は積極的に石化した人々が集まる場所でライブを行い、戻ったヒトたちがそれを見て聴いて盛り上がってお金をくれるという流れになったそうだ。


 それを聞き付けた謎の男たちが、ライブに難癖をつけるために現れるようになった。


 そしてついに、その男たちが柑奈たちの住処にやって来たのだと。


「たぶん、そいつらだと思う……ひびきちゃん、めっちゃ警戒してたし」


「響ちゃんと合流するのが一番だけど……石化させたのはエルちゃんだって言うなら、本人に会いに行くしかない…?」


「それはリーナちゃんの言う通りだと思う。その辺はどうなんだい? カンナちゃん、エルちゃんの居場所とかは」


 イズナに言われ、柑奈は腕組みしながら考える。そして思い出したのか、手をポンと叩いた。


「前に一回だけエルちゃんを付けてって白い建物に入ってったのを見たよ!」


「おお! ならその建前はどこだい?」


「わかんない!」


 ガクッとイズナたちは倒れそうになるのを何とか堪える。


「ひびきちゃんと一緒に上を見ながら歩いてったから……気が付いたら街から出てたし……」


「……とにかく、街外れにある白い建物ね? 誰かに訊ねてみよ」


 莉衣奈の言葉に全員が賛同して行動に移る。


「(ひびきちゃん……無事かな……無事だよね)」


 柑奈は不安な気持ちで空を見上げる。

 そしてイズナに呼ばれて駆け出した。






 ———ここは街外れにある森の中。


「はぁ……はぁ……はぁッ」


「居たか!?」


「いや、こっちには居ない」


「くっそ! どこ行きやがったんだあの女」


「魔物の集団に襲われて、その隙に逃げられるたぁ俺たちの命が危ねーよ」


「…………ふぅー」


 小さな空洞を見つけた響はそこに身を潜め、男たちの様子を伺う。


 緊張からか、凄い心臓がバクバクしてる。


 汗も普段より多く滴り落ちるのが鬱陶しい。


 両手を後ろで縛られて動き難いがそんな事は言ってられない。


 地面は落ち葉とかで滑りやすく、オマケに前日の雨の影響もあって最悪。斜面を下って行く道なので、転んだらアウト。


 とにかく響は、荒い呼吸を整えるのに必死だった。


 街までもう少し。


 あの男たちが居る道を抜ければ———


 ザッ


「ッッ!?」


 響の背後から足音が聞こえた。



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