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3—2


 青い空 白い雲

 穏やかな海で潮風が気持ちいいくらい


 ネコネは甲板でボーッと海を眺める。


 客船とは違った、むしろアニメとかで見る海賊船のような見た目のこの船は羽海が変身したもの。



「何か悩み事ですか? ネコネ先輩」


 風香はネコネの横に立ち一緒に海を眺める。


 ネコネは風香の方に視線は向けずに


「別に悩みなんて———」


 ダダダダダダ


「コンちゃんつっかまーえ———あっ」


「そー簡単には捕まんないよーだ!へへ!」


「狐になるなんてズルいぞー!!」


「マホちゃんだって飛んでんだからお互い様でしょー!」


 ネコネたちの後方でイズナとマホが追いかけっこしているようだ。


 ネコネはそれを眺め


「………うん、悩みなんかないよー」


 風香に笑顔でそう答えた。


「船内で走らないでください! 寝てる人も居るんですからっ」


「ごめんなさぁい」


 扉を開けてやって来たリアにイズナとマホは叱られ、くどくど説教タイムが入ったのを尻目にネコネは船室へと入って行くのだった。


 それからしばらくして昼くらいだろうか、島が見えてきたのは。


「島が見えてきたよー!!」


 見張り台から単眼鏡で見ていた莉衣奈が大声で伝えると、船内にいたメンバーが出てきた。


「おおー」


 浜辺が見えてきたところで、茂みから何かが飛び出してくるのが見えた。


「コケエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエっっっ!!!」


 ニワトリである。


「あのニワトリでっか!?」


 イズナが興奮気味に言うと他のメンバーも凝視して大きさに驚く、その時。


「ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオっっっ!!!」


 ニワトリの後を追うようにトラが現れた。


「ひいいぃぃいいいいぃいいいぃい!?」


 イズナは悲鳴を上げながらしゃがみ込む。


「あ、あれ見てください! あの帽子っ」


 リアの声に莉衣奈は単眼鏡で凝視する


「カラフルで帽子のつばにSの文字、もしかして(せい)ちゃん!?」



 大越晴(おおごえせい)、ルピナス第3期生でトレードマークはカラフルな帽子。


 そして何より———


「コケエェエエエエエェエエエエエエ!!!!」


 あのデカい声


「あのニワトリが晴なら助けに行かないとです!」


「羽海ちゃんスピード上げられる?!」


「これが限界よ!」


 リア、莉衣奈、羽海、何とか出来ないか思考を巡らせていると。


「このマホ様に任せなさーい!!」


「! なら私も行きます、マホ先輩!」


 箒に跨ったマホの後ろに風香も乗る。


 2人は猛スピードでニワトリ目掛けて飛び出す。


 目的地はすぐに到着し、


「晴先輩捕まってください!」


 風香が手を伸ばすがニワトリは見向きもせず走り続ける。

 それでも方向転換し追い掛けようとした所でトラに追いつかれた。


「うっひゃあああ〜〜」


「ここは私に任せて、晴先輩を追ってください!」


 風香は直ぐに刀を構えるとトラに斬りかかる。


 それをトラは躱してみせた。


「くっ」


「………」


 トラはじっと風香を見つめる。


「たああああぁああぁああ」


「ちょいタンマ!」


「あぁああああぁ………トラが、喋った!?」


「お前、風香だろ? アタシだよアタシ」


 トラが光り人の姿に……


「あ———陽子(ようこ)先輩!」


「よ!お久しぶりー元気してた?」


「陽子先輩がどうして晴先輩を追い掛けて……」


「コケェエエココっっ」


 ニワトリを両手で鷲掴みしながらマホが戻って来た。ニワトリが暴れまくっている。


「こらオーちゃん静かにしなさいよ!」


「マホセンパイ、帽子だけでイイっスよ! ソイツただのニワトリなんで」


「え? ……えええぇええヒョウちゃんじゃない!?」


「そのあだ名懐かしいなぁ年末ッスもんね最後」



 ニワトリから帽子を取った後そのまま解放し、風香は陽子に疑問をぶつける。


「なんで、あのニワトリが晴先輩の帽子を?」


「この先に街があるんだけどさ、アイツが着いた途端に晴センパイに突進して来て持ってかれた」


 あの大きさのニワトリだ。

 子ども以上のタックルだったのかもしれない。


 その話を聞いたマホは爆笑していた。


 思った以上に逃げ足が速く、陽子はトラで追いかけ晴は自分の足で走っているから後程ここに着くだろうとのこと。


 それから莉衣奈たちが合流し、これまでの話を互いに話した。


「羽海センパイに求婚?」


「そう!聞いてくれよ、その男リーダー見たら乗り替えやがったの!」


「だっはっはっはっはっはっは」


 ガサガサ


「やっと追いついたー、——みんな居る?!」


 晴が疲れた顔で現れ、陽子は爆笑しながらそちらを見る。


「おい聞いてくれよ晴センパイ!」


「はぁ?」


 ——————


「だあっはっはっはっはっは」


「笑うなしッッ!!」


「いやこんなん笑うだろ! まあ晴でもリーダー選ぶけど」


 陽子と晴に爆笑された羽海はリアに泣き付いた。


「リアたんリアたん慰めてーアイツらひどいの!」


「ぅえー………結婚で考えたら羽海を選ばないのは納得できちゃうんだよね……想像つかない。どーせ断るんだから気にしなくてもいいじゃん」


「そーだけどそーじゃないっていうかさ」





 イズナは陽子の元へと近付いて話しかける。


「んで、ヨーコちゃんたちはメンバーには会わなかったのかい?」


「そっスね……路上ライブをしている女性2人の噂を聞いて街に来たんスよ」

 

「路上ライブ?」


「片方は″歌姫″って呼ばれてるみたいッス」



 

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