2—13
翌朝、吹雪は目を覚ました。
「………痛みがない」
自分の足を確かめる。
激痛で苦しんだ昨日、紫色に変色していたのは覚えているがそれだけ。
今では綺麗さっぱり。
隣で寝息をたてているのは
「………リア先輩!?」
その奥には壁にもたれかかって寝ている、まもりとそのまもりの太ももを枕にして寝ているマホがいた。羨ましい。
「よくわからないけど、先輩たちと会えたんだ」
リアに身を寄せてもう一度眠りにつく。
次に目が覚めると、まもりにおんぶされていた。
「あ、起きた」
吹雪にいち早く気付いたリアと目が合う。
続いてマホも覗き込んで来た。
「おっはよー空飛ぼうぜ!」
「マホ先輩、フブキちゃんに無茶させないでください。まだ完治してないんですから」
「そなの? 解毒して傷も治ったんだよね」
「おじさんの話だと、筋肉が回復してないんだとか……フブキちゃん、左足に力って入る?」
吹雪は足をぷらぷらさせながら足首を回してみたりは出来るが、指とかギュッとするのは出来なかった。
「もうしばらく安静にしていれば、元通り歩けるようになるって」
自力で歩けないのは不便に思うが、おんぶされているこの状況は悪くない気分である。
その後町に到着し、莉衣奈たちと合流すると、再会の喜びや足の心配など少し話し込んでしまったが、移動を開始して船が停泊している場所を素通りして向かったのは。
「こっちに何があるんですか?」
リアが隣を歩く莉衣奈に質問すると
「着いてからのお楽しみって、羽海ちゃんに言われただけで……海を渡る方法があるのかな?」
「皆さん着きましたよー」
先頭を歩いていた羽海が振り返る。
周りに誰もいない静かで、波の音しか聴こえない場所。
羽海の身体が白く光出し、シルエットがどんどん大きくなっていき———
「……羽海ちゃん、どこ行ったの?」
「ここですよ、ここ!」
目の前に、大きな船が出現した。
全員があまりの衝撃に言葉を失っていると、どこから聴こえてくるのか、羽海の大きな声が耳に響いてくる。
「船になったって、コト!?」
「そうです! これで皆さんを次の島まで運んで行きますよ」
全員が、マホは嬉々として一番乗りだーと飛んで行ったが、他のメンバーは恐る恐る乗船した。
「全員乗った? それじゃ行きますよ、後に続いてくださいね! 出航ー!!」
「「「出航ー!!!」」」
流されるまま拳を上げ、全員が声を合わせる。
船は北東を目指して動き出した———




