クリスマスの贈り物
やはりクリスマス・イブといえばイルミネーション。
と、いうことで彼を誘い、この町で1番大きなイルミネーションがある所に来たのだが、人が多過ぎて前に進むことが出来ない状況に置かれてしまった。
「康太さん、わざわざ誘っておきながらイルミネーションを見に行けなくてごめんなさい。普通に考えたら人が多いのは分かっていたはずなのに……」
「大丈夫ですよ渚さん。他にもイルミネーションが綺麗に見える所がありますから。ここより規模は小さいですが見に行きませんか?」
彼は私がこうなるのを見込んでいたのか、手を取って人通りが少ないところをゆっくりと歩いていく。暫くそのまま彼に付いていくと、そこにはこじんまりとしたイルミネーションがいくつか並んでいた。
確かに先程見ようとしていたイルミネーションよりは小さいけれど、それぞれしっかりと輝いておりその美しさに見惚れてしまう。人があまりいないため、ゆっくりとそしてじっくりと眺めることが出来た。
「あ、そうだ康太さん。これプレゼントです。メリークリスマス」
「ありがとうございます。僕からもプレゼント渡しますね。メリークリスマス」
彼には何をあげたら良いか全く分からなかったため、何が欲しいと彼に直接聞いた。
すると手作りのマフラーとかが欲しいと言われたので、私お手製の手作りマフラーである。正直手先が器用なわけではないので、本当にこれで良いのかと不安は拭えなかったが、彼が喜んでくれた顔を見てそれは杞憂に終わった。
彼からのプレゼントは、獅子座を象ったペンダント。獅子座は私の誕生日星座である。天体観測をするのが好きと私が言ったから選んでくれたのだろう。私は嬉しくてすぐに掛けたいと言ったら、彼はすぐに後ろに回って掛けてくれる。
気のせいかもしれないけれど、そのペンダントから彼の温もりが伝わってくる気がしている。